そう、たしかに一般的に言えば11月はフェスとあまり縁の無い月かもしれない。だが、注意深く探ってみれば（または、南半球へ目を向けてみれば）まだまだ楽しめるフェスがたくさん用意されている。今回は11月にチリ、フランス、イタリア、ポーランド、ベルギー、オランダ、オーストラリア、ドイツなどの国々で開催されるRA推薦のフェスをご紹介しよう。

10. Creamfields Chile
November 11
Espacio Riesco Expo Centre
サンチアゴ／チリ

言うまでもなくCreamfieldsはエレクトロニック・ミュージック界でも最もブランドが確立されたフェスのひとつだ。したがって、シドニー、ロンドン、マルタ島など世界中のどんな場所で開催されようと、常に豪華なラインナップが保証されている。今年チリのサンチアゴで開催されるCreamfieldsもまた例外ではなく、市中心部からわずか10kmの距離に位置するEspacio Riesco Expo Centreを会場とし、Sven Vath、Luciano、Pete Tongといったスーパースターたちが出演する。Seth Troxler、Busy P、Joris Voornといった面々も南アメリカの太陽にふさわしいセットを披露してくれるだろう。

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09. Mayday Poland
November 10
Spodek
カトウィツェ／ポーランド

ベルリンで6000人の観衆を集めてMaydayの歴史が始まったのは今から20年前のことだが、そのポーランド版も今年で12回目の開催を数える。Mayday Twenty Youngと題しSpodekで開催されるこのフェスは、ヨーロッパで開催されるレイヴのなかでも屈指の規模を誇り、ポーランドのみならずオランダやロシアからも多くの観客が訪れる。カトウィツェで夜19時にスタートするこのフェスは、さまざまなラインナップを交えながら翌朝8時まで続く。Chris Liebing、Matthias Tanzmannといったドイツが誇るヴェテラン勢を筆頭に、Tiefschwarz、Len Faki、Anthony Rother、Butch、Monika Kruseらが豪華なラインナップを演出する。

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08. Groove City
November 26
Brussels Kart
ブリュッセル／ベルギー

ブリュッセルの年間パーティカレンダーの中でも最大級を誇るGroove Cityは今年も市内中心部のゴーカート場を利用して開催される。今年で11回目を迎えるこのフェスでは今回も4つに分かれたステージを提供する。まずメインとなるHouse Blvdでは昨今のチャートを賑わすFedde Le GrandやCalvin Harrisなどがヘッドライナーを務め、The Techno HighwayではChris LiebingとEllen Allienのドイツ勢、そしてBen SimsとJames Holdenのイギリス勢が真っ向からぶつかり合う。これまでDrum & Bass Avenueという名でドラムンベースをメインとしていたステージは今年はThe Spaceと名前を変え、よりダブステップ色の濃いラインナップを提供。カナダのKillawattsに加え、筋金入りのドラムンベース・アクトDrumsound & Bassline Smithらが出演する。これまでElectro Roadと名付けられていた4つ目のステージはThe Midnight Munchies Roomとして改められ、Kill Frenzy、Le Petit Belge & Le Chevalといった地元アクトが腕を奮う。

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07. Le Guess Who?
November 24 - November 27
Various Venues
ユトレヒト／オランダ

オランダのフェスには興味はあるけどADEのプログラムはいまいち・・・という向きにはユトレヒトで開催されるLe Guess Who?をおすすめしたい。オランダ第4の都市ユトレヒトの歴史ある運河沿いを望むさまざまなヴェニューで同時開催され、今回で5回目を迎える3日間のフェス。Tivoli Oudegracht、Tivoli de Helling、EKKO、dBs、ACU、RASAといった屋内ヴェニューでは地元オランダのさまざまなアクトをはじめカナダからも複数のアクトを迎える。Animal CollectiveのPanda BearをはじめJohn Maus、Zola Jesus、スウェーデンのデュオRoll the Diceなどに加え、Zomby、Com Truise、Slugabed、Pursuit Groovesらがエクスクルーシヴなセットを披露する。

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06. Stereosonic
November 26 - December 4
Various Venues
Various Cities／オーストラリア
シドニー | パース | アデレード | メルボルン | ブリスベン

数多くあるオーストラリアのサマー・フェスのなかではこのStereosonicは比較的歴史は浅い。しかし、ここ数年のあいだにめきめきと評判が高まっているフェスでもある。その理由は大物アクトからアンダーグラウンド・アクトまで多岐のジャンルに跨がるさまざまなアクト（あくまでもオーストラリア的な基準に照らし合わせて、だが）が出演していることだろう。今年のラインナップを眺めてみても、Carl CoxとGaslamp Killerが一緒に並んでいたり、Annie MacやDeetron、AfrojackそしてClaude VonStrokeなどそのレンジは非常に広いといえよう。11月26日にシドニーでスタートするこのフェス・ツアーはパース、アデレード、メルボルン、ブリスベンといったオーストラリア各都市のスタジアム級ヴェニューを巡って開催される。

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05. I Love Techno
November 12
Flanders Expo Centre
ゲント／ベルギー

テクノにエレクトロとダブステップを加え、I Love Technoは16年目を迎える。1995年にたった700人のファンを集めてスタートしたI Love Technoはいまや35,000人もの観客を収容するエレクトロニック・ミュージック界屈指のビッグ・フェスへと成長した。I Love Technoという名前こそ変わっていないが、実際はそのラインナップはより幅広いジャンルに広がっている。Red Roomではドイツテクノ界の人気者Paul Kalkbrennerや地元ベルギーのBoyz Noize、Len Faki、Digitalismらが名を連ね、Carl CraigやLaurent Garnier (LBS名義でのライブセット)らシーンのレジェンド的存在も顔を揃える。イギリスのダブステッパーSkreamやBengaがヘヴィーなベースを持ち込む一方、フランスのBrodinskiやCassiusはエレクトロで盛り上げる。

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04. STRP Festival
November 18 - November 27
Klokgebouw
アイントホーヴェン／オランダ

2010年のSTRPフェスティバルではインディー／エレクトロ勢が大きく幅を利かせていた。そして2011年はどうなる？今年はテクノ／エクスペリメンタル勢の出番だ（Chris Liebing、Speedy J、Michael Mayer、Len Faki、James Holden、Mathew Jonson、DVS1、Aphex Twin、Amon Tobin、Rustieらが一挙に出演するとなればそう言わざるを得ない）。電機メーカーPhilipsの主催によりアイントホーヴェンのStrijp-Sで10日間にわたり開催されるアート、映画、ライブシネマ、パフォーマンス、インタビュー、講演、ゲームショウ、ロボット展覧会など複合的なプログラムを有するこのフェスティバルは今年STRP EXPOとも呼ばれ、過去50年のオランダにおけるメディア・アートの集大成を目指している。

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03. La Petite Invites: Nuits Sonores
November 3 - November 6
Various Venues
トゥールーズ／フランス

リヨンで毎年開催されるNuits Sonoresのアート企画集団La Petiteによる縮小版がこのLa Petite Invites: Nuits Sonoresだ。今年は再びトゥールーズに開催地を戻し、複数のヴェニューで4日間にわたり屋内イベントとして開催される。トリを務めるヘッドライナーについてはさておき、プレスの注目を集めるのはHalle aux Grains劇場で行われるChilly Gonzalès & His Quintetのマジカルなライブショウだろう。この4日間のフェスでは初日の夜に登場するRichard FearlessのDeath In Vegas復活ライブをはじめCaribou、M.A.N.D.Y.、PilooskiらがLe Bikiniに出演し、翌日には Opéra BouffeでHudson Mohawke、Dusty Kid、Panteros 666、Renartが出演するなど注目アクトが目白押しだ。

RAのおすすめ : 最終日に出演するChilly Gonzalèsは必見だ

02. Fly Bermuda
November 5
テンペルホフ空港
ベルリン／ドイツ

ベルリンのクラブシーンはご存知のように大きなものだが、同時にそのシーンは非常に細かく細分化されてもいる。小〜中規模のクラブが中心のこの街では、フェスティバル級のイベントは意外と縁遠い存在だ。FLY Bermudaのような大規模フェスはベルリンのクラブスタイルに即したブッキング方針を保ちつつ、しっかりとラインナップに幅を持たせて夏のフェスにも負けない熱気を持っている点で素晴らしい。dOPやSven Vathのような両極端ともいえるアクトが同時に顔を揃え、Plastikmanのライブセットのように比較的大きなヴェニューを必要とするアクトがラインナップに名を連ねるのフェスは他にはなかなかあり得ないだろう。Bermudaカンファレンスとして1週間もの間複数のヴェニューでパーティを開催し、その最終日にクラウドが一堂に会することができるのはなかなか素敵だ。しかも、その場所が使われなくなった巨大空港なのだからロケーションとしても最高だ。

RAのおすすめ : ラインナップでは下のほうに隠れてこそいるが、George FitzGeraldのハウスとガラージを融合したセットに対し過小評価は禁物だ

01. Club to Club
November 3 - November 6
Various Venues
トリノ／イタリア

トリノのClub to Clubはピエモンテ州を挙げて開催されるアートフェスティバルのメインともいえるイベントだ。今年はイタリア統一150周年ということもあり、地元のアーティストたちによる「イタリアン・ニューウェーブ」とでも言うべきテーマにスポットを当てている。その地元イタリア勢のフル・ラインナップは現時点ではまだ明らかにはなっていないが、イタリア国外から招聘されるゲストのラインナップは続々とアナウンスされている。まず若手注目株Kyle HallやSpace Dimension ControllerはミラノでのViva showに出演する。ローマでのウォームアップ・イベントに引き続きトリノでのメイン・イベントではLone、Marcel Dettmann、Jackmaster、Deniz Kurtel、Theo Parrish、Hype Williamsなどテクノ／ハウス／ベース・ミュージックなど多岐にわたるジャンルのアクトが出演し、Jeff Millsは2009年に彼が見せたような圧巻のパフォーマンスを再現してくれることだろう。劇場、クラブ、特設スペース、バー、ミュージアムをはじめ歴史的スポットなど広範囲にわたる地域で開催される各イベントを隈無くチェックするには車での移動が必須となるだろう。

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