多くのテクノアーティストがそうであるように、Marcel Fenglerは彼が作る音楽よりもずっと親しみやすい。彼のレコードはダークかつ挑戦的なスタイルの作品が多いが、このことはBerghainのレジデントの1人であり、Ostgut Ton所属のプロデューサー、そしてMarcel DettmannやNorman Nodgeの長きに渡る盟友であるということを考えるとあまり驚くようなことではないだろう。しかし彼の性格は全く正反対で、明るく気さく、そして謙虚かつ熱心に自分の仕事に取り組むような男だ。これは彼の音楽の中に垣間見ることのできる要素でもあり、頭を殴られるような音かと思えばファンキーで、シリアスなのにメロディック、そして金属的な冷たさがあると同時にとても人間らしい。

彼の謙遜なふるまいからは想像がつかないかもしれないが、Marcel Fenglerはデキる男だ。彼の楽曲は、世界中のテクノファンから高い評価を得ている。彼は最近まで自宅にあるスタジオでクラブ向けのトラックをメインに制作するプロデューサーだったが、今年に入ってからアヴァンギャルドなバレエプロジェクトに楽曲を提供したほか、自身のファーストアルバム『Fokus』をOstgut Tonよりリリースしている。今回のThree Cutsでは、Fenglerのキャリアにおけるハイライトと、そのきっかけとなったトラックについて尋ねた。

Intro: Marcel Fengler - Liquid Torso [Ostgut Ton] 2013
Early Cut: Marcel Fengler - Thwack [Mote Evolver] 2010
Choice Cut: Marcel Fengler - Sphinx - [IMF] 2011
Fresh Cut: Marcel Fengler - Trespass - [Ostgut Ton] 2013

Interview - Will Lynch
Film Production - Patrick Nation