10. L.E.V.
5月2日
Laboral Ciudad de la Cultura
ヒホン、スペイン

スペインの街ヒホンでひっそりと開催されるL.E.V.は、秘密裏に保たれている点に関しては折り紙付きのフェスティバルだ。 Chris Mannによる昨年開催の貴重なレビューでは、「美味しいフード、安いビール、友好的で知的なクラウド」、そして「燦然たる太陽の光」について記されている。このフェスティバルのエクスペリメンタル思考の強いサウンドは、全員が全員太陽の下で楽しめるものではないかもしれないが、ラインナップを見るとそんな議論をする気もなくなるだろう。レーザーを使用した最新のパフォーマンスで話題を呼ぶRobert Henkeが今年のヘッドライナーを務めるほか、Atom TMやVessel、Vatican Shadow、そしてLuke Abbotに加え、地元スペインのアーティスト達も多数出演する予定だ。

RA pick: 「イメージとサウンドのナチュラルな共働」が起きるフェスティバルで、Robert Henkeがヘマをするわけがない。

09. International Music Summit
5月21日 – 5月23日
複数のヴェニュー
イビサ、スペイン

正直、イビサのInternational Music Summitを“フェスティバル”と呼ぶのは、軽視に値する行為かもしれない。3日間昼夜に渡り、プラヤデンボッサに新しくできたばかりのHard Rock Hotelを舞台に開催される同イベントでは、数えきれないほどたくさんのワークショップが参加者を待ち受けている。今年はゲストスピーカーとして、Danny TenagliaやAlfredo、Boiler Roomの創設者Blaise Belleville、そして元U2のマネージャーであるPaul McGuinnessらが参加する。カンファレンス終了後は、島の象徴的存在ダルトヴィラで開催されるThe Grand Finaleにて、Seth Troxler、Eats Everything、Jamie Jonesらがプレイする。

RA pick: 昨年はNile Rodgersがトークプログラムに出演したが、今年はMr. Parliament FunkadelicことGeorge Clintonが登場する。

08. Mysteryland USA 2014
5月23日 – 5月26日
Bethel Woods
ニューヨーク、USA

Mysterylandは、ヨーロッパからアメリカに進出したばかりのビッグテント・フェスティバルである。メモリアルデーの週末にMysterylandの舞台となるBethel Woodsの美しいフィールドは、Woodstockフェスティバルの最初の開催場所として知られている。そのプログラムの中で我々が注目したいのは、 Mysteryland開催中の週末にかけて行われる、Sunday SchoolのMini-Festだ。Sunday Schoolだけでも3つのステージがあり、Chris LiebingやScuba、Seth Troxlerらがラインナップされている。

RA pick: Josh WinkがOvum Recordingsの20周年を記念し、ヴァイナルオンリー・セットを披露する。

07. Life Festival 2014
5月23日 – 5月25日
Belvedere House & Gardens
ウェストミース、アイルランド

アイルランドはウェストミース州の毎年恒例の野外イベントLife Festivalは、18世紀に建てられたゲストハウスの敷地を舞台に開催され、敷地内のメインエリアを少し離れると、湖や林地があちこちに点在しているのが見られる。今年はハウス（Dixon、Maya Jane Coles、DJ Koze）とテクノ（Ben Klock、Rodhad、Nina Kraviz）を織り交ぜたラインナップとなっているほか、ビッグフェスティバルの常連であるGroove ArmadaやLFOらも登場する。さらに、テクノのベテランSunil Sharpeや、今年ダブリンのThe Twisted PepperでRAが主催したパーティーで素晴らしいライブを披露してくれたHivern Disc所属のNew Jacksonなど、アイルランド出身のアーティスト達の出演も決定している。

RA pick: Dixonのエレガントなハウスのセレクトは、荘厳な会場の雰囲気にピッタリとマッチするはずだ。

06. Love Saves The Day
5月24日 – 5月24日
Castle Park
ブリストル、UK

昨年、ブリストルのLove Saves The Dayは開催期間を1日から2日間へと変更した。2014年は例年同様、ハウス、ベース、ダブ、ディスコ、そしてテクノのアクトが、Castle Parkに出現する計6つのステージでプレイする。土曜日のハイライトはCraig Richards、Nina Kraviz、Motor City Drum Ensemble、そしてTodd Terjeによるライブパフォーマンス。そして日曜日はJohn TalabotやJamie xx、Tessela、Special Request、SBTRKTらが登場する。また、Livity SoundやFutureboogie、Pinchを筆頭とする、地元ブリストルのアーティスト達も両日に渡って出演する予定だ。

RA pick: Jamie xxはきっとニューシングル"Sleep Sound"をプレイし、クラウドから大きなリアクションを得るだろう。

05. Southport Weekender
5月9日 – 5月11日
Butlins Resort
サマセット、UK

今年で50回目を迎えるSouthport Weekenderのラインナップは、節目の年に相応しい内容となっている。主催者は世代を超えたハウスとディスコのアクトをひっくるめてブッキングしており、もしかしたら出演しないアーティストの名前を挙げる方が簡単かもしれないほどだ。大勢のパイオニア達（Carl Cox、Tony Humphries、Greg Wilson、Kenny Dope）と、現代の人気者（Seth Troxler、Ben UFO、Motor City Drum Ensemble、Vakula）に混ざって登場するのは、ハウス/ディスコシーンにおいて最も崇拝されるヴォーカリストの面々。Omar？Faith Evans？チ、チ、Chaka Khan？さぁ、事実は自分の目で確認してみて。

RA pick: ワールドプレミアは常に注目に値するものだが、Kerri Chandlerがフルライブバンドで登場する今回は特に見逃せない。

04. EM15
5月27日 – 6月1日
複数のヴェニュー
モントリオール、カナダ

過去数年間に渡り、北米、そして世界レベルで見てもエレクトロニックミュージック・フェスティバルをリードし続けているMUTEKは、そのものだけでも既に強力な存在なのだが、今年はさらに、MUTEKの精神ともうまく調和するであろうデジタルアート・イベントElektraとタッグを組んでの開催となる。両イベント共に今年で15周年となり、Donato Dozzy、Move D、Nicolas Jaar、Robert Henkeをはじめとする豪華ラインナップは、見ているだけでも今から興奮してしまう。

RA pick: Ricardo VillalobosとMax Loderbauerが揃ってライブを披露するのは、北米ではレアなことだ。

03. Primavera Sound
5月29日 – 5月31日
Parc Del Forum
バルセロナ、スペイン

エレクトロニックミュージック・シーンにいる人間にとっては、バルセロナ＝Sónarだろう。しかし、あなたはこのPrimavera Soundというイベントのラインナップを見た事があるだろうか？Neutral Milk HotelやGodspeed You! Black Emperor、SlowdiveなどのヘッドライナーはMix Of The Dayよりもカレッジラジオじみているかもしれないが、エレクトロニック・サイドを見てみると、おまけとはとても思えないようなメンツが揃っている。Darkside、Disclosure、SBTRKT、そしてLaurent Garnierがヘッドライナーとして登場。また、The Haxan CloakやDemdike Stare、Genius Of Time、Daniel Avery、Dominick Fernow（PrurientとVatican Shadow両方の名義で出演予定）らが、プログラムの中でもエッジィでアンダーグラウンドなエネルギーを放つだろう。

RA pick: 4つ打ちから少し離れ、Wolf Eyesに鼓膜を刺激されてみてはいかがだろうか。

02. Nuits Sonores
複数のヴェニュー
リヨン、フランス

Nuits Sonoresについて箇条書きしてみると、それだけで十分説得力のある内容であることがわかる。Huerco S、Nina Kraviz、そしてKraftwerkの間のドットを繋ぐような幅広いラインナップのフェスティバルが、全4日間に渡りフランスの美しい街リヨンを舞台に繰り広げられる。しかし、一度でも参加したことのある人なら、それがこのフェスティバルの魅力のほんの一部にしか過ぎないということを知っているだろう。 Nuits Sonoresが記憶に残るような素晴らしいイベントである理由、それは、数え切れないほどのサプライズだ。フレンドリーで陽気な地元の客に、街のあちこちで楽しめる素晴らしい食事（リヨンはフランスの美食の首都と言われている）、そして何よりも、橋の下や路地裏、ソーヌ川を見渡せる丘の上など、様々なロケーションにあるヴェニューをハシゴして楽しめるフリーパーティーの数々。これら全ての要素と、圧巻のラインナップによって成り立つNuits Sonoresは、1年間を通して見ても、世界でも最高レベルのエレクトロニックミュージック・フェスティバルだと言える。

RA pick: 我々の主催だからと言ってゴリ押しするわけではないが、Robert Hoodが出演するRAステージは是非チェックしてみてほしい。

01. Movement
5月24日 – 5月26日
Hart Plaza
デトロイト、USA

Movementに関しては、もはや聖書的な何かさえ感じられる。世界中のテクノアーティストが、テクノが誕生したその場所に集合し、聖地デトロイトを巡礼した数千人ものファンを駆り立てる儀式—そんなアイディアだけで、もう最高だ。しかし、Movementが何年にも渡ってこのリストのトップに君臨し続ける最大の理由は、もっとずっと現実的である。第一に、プログラミングが素晴らしく、エレクトロニックシーンの風潮をいつの時代もしっかりと捉えていることが挙げられる（Jeff MillsがTale Of UsやKode9、Tiga、Jamie XXらと共演する場所など他にあるだろうか？）。Movementほど人々の心を掴みとるフェスティバルはそうそうない。その事実は、一見して明らかなのだ。

RA pick: 地元でプレイするJeff Millsに敵う者はいないだろう。