Ralph Lundstenには誇るべきことがたくさんある。彼は、エレクトロニックミュージックという言葉が成立するずっと前の1950年代半ばよりそういった音楽を制作し始め、しかもその際に使用していた機材はほとんどが自作のものだった。70歳を超えた現在までに、彼は100枚以上ものアルバムをリリースしており、スウェーデンは彼のエレクトロニックミュージックへの功労を讃えた勲章を授与している。数ある彼の作品の中でも有名なものの1つとしてRadio Sweden Internationalのテーマソングが挙げられるが、同作品は史上最も多くプレイされた曲とも言われている。

だが、Lundstenの個性の中でも特に際立っているのは、ファンタジーや人間が持つ創造力に対する深い情熱であり、それらは彼の有名な自宅スタジオ、Andromedaの中で表現されている。彼が数十年間住み続ける、19世紀に建てられたピンクの城の中にあるAndromedaは、Lundstenが思い描くパラレルワールドを再現した唯一無二のクリエイティブ空間である。サイケデリックな壁紙と、スウェーデンの民間伝承を描いた無数の絵画に囲まれた室内には、たくさんのシンセサイザーやその他の機材が置かれており、その多くは彼の自作で、今までに見た事もないようなマシンである。（そのうちの1つは、ユーザーの感情に直接反応する仕組みになっている。）

つい最近まで、Andromedaはビザ（志願者は、今まで何回生まれ変わったか、そしてナノ秒から1年までを選べる希望滞在期間等を答える）を申請すれば誰でも入場することができたのだが、現在スタジオはMusic Development And Heritage Swedenへ寄贈されている。一般公開最終日に、RAのフォトグラファーChristian Olofssonが同スタジオを訪れ、その様子をカメラに収めてきた。