10. Semibreve
10月31日 - 11月1日
Theatro Circo Club
ブラガ、ポルトガル

ポルトガルのSemibreveは、シンプルでありながらも魅力的なフェスティバルだ。 20世紀初頭にブラガの街に建てられた劇場であり、現在は様々なパフォーマンスの会場となっているTheatro Circoを舞台に、3日間に渡りアヴァンギャルドなエレクトロニック・ミュージックが繰り広げられる。念入りにキュレートされたこのブティック・イベントは、2010年のスタート以来、エレクトロニック・ミュージックにおいて最もアドベンチャラスなアーティスト達を招聘してきた。2015年もその流れは変わらず、現時点で発表されているラインナップには、Vessel、Heatsick、Oren Ambarchiといったコンテンポラリー・アーティストや、Gerald Donaldによる伝説のユニットDrexciyaのスピンオフ・プロジェクト、 Dopplereffektなどが名を連ねている。

RA Pick: Dopplereffektのパフォーマンスを見るチャンスを逃してはならない。

09. Treasure Island Music Festival
10月17日 - 10月18日
Treasure Island
サンフランシスコ、USA

このご時勢、自分のフェスティバルを目立たせる方法は限られてきてしまっている。そんな中でも、サンフランシスコ沿岸で、アルカトラズ島から程近い人工の島でフェスを開催する、という方法があるようだ。また、“重複なし”というポリシーを掲げるのも方法の1つ。これによって、参加者全員が全出演者を見ることができる。そして忘れてはならないのがラインナップ。特定のジャンルに固執するのではなく、時代の風潮を捉えた興味深いアーティスト陣を揃えている。Treasure Islandは、上記のこと全てを実行しているのだ。例年同様、厳選された今年のラインナップは非常にダイナミックであり、Deerhunter、Cashmere Cat、Hudson Mohawke、そしてThe War On Drugsと、実に様々なアクトが登場する。

RA Pick: サンフランシスコ湾に、Panda Bearの爽やかなメロディが漂う。

08. Elevate Festival
10月22日 - 10月26日
Dom Im Berg
グラーツ、オーストリア

世界の中でも、著名環境保護主義者がヘッドライナーを務めるフェスティバルはなかなか見当たらないが、Elevateはそんなフェスティバルの1つである。オーストリアはグラーツの街で開催される同フェスティバルは、回を重ねるごとにその評価を高めていっている。Elevateは、高次の目標の遂行を目指すエレクトロニック・ミュージック・フェスティバルだ。当の環境保護主義者、Vandana Shivaは、ヨーロッパやアメリカの各地から集まる学者たちとともに、レクチャー、ワークショップ、スクリーニング、エキシビジョンなどを繰り広げる。一方音楽プログラムでは、Low Jack、Demdike Stare、Heatsick、Suzanne Kraft、Prostitutesといったアーティストたちが、夜遅くまで我々の脳を刺激してくれる。

RA Pick: 強烈なサウンド満載の週末の中で聴くThe Black Madonnaによるクラッシーなフロア・バンガーは最高に違いない。

07. Movement Torino
10月31日
Lingotto Fiere
トリノ、イタリア

Movement Torinoは、北イタリアのエレクトロニック・ミュージック・ファンにとって特別な存在だ。’00年代後半にかけて、年に一度ユニークなロケーションで開催されてきた同フェスティバルは、ワールドクラスのハウス/テクノアーティストを見る貴重な機会を北イタリアの住民に提供してきた。10回目の開催となる今回は12時間にわたり繰り広げられ、そのラインナップは例年に劣らずヘヴィーだ。Derrick MayやRobert Hoodを始めとするデトロイト勢は若干少ないものの、シカゴからはDerrick Carter、DJ Sneak、Lil Louis、Tevo Howardの4人が参加。更に、Dixon、Ame、Chris Liebing、Marcel Fenglerといったヨーロッパの重要アーティストたちの出演も決定している。

RA Pick: Mathew Jonson vs Minilogueのライブが仮に予想値の半分の良さであったとしても、きっと満足に足る内容のはずだ。

06. Simple Things
10月24日 - 10月25日
複数のヴェニュー
ブリストル、UK

Simple Thingsは今や、ブリストルのミュージック・カレンダーにおける中心勢力として定着している。彼らは毎年活気のあるアーティストをセレクトし、年を重ねるごとに自らを凌いでいる。2015年のラインナップに目を通してみても、目を引かないアーティストを探す方が逆に難しい。ライブアクトとしては、Skepta、Lee "Scratch" Perry、Factory Floor、Holly Herndon、HEALTH、Savages、Jam City、Dean Bluntといった面々が登場。一方のDJ陣も、Ron Trent、Helena Hauff、Objekt、Huneeと最高の内容となっている。

RA Pick: Lee "Scratch" Perryがどんなプレイをするのかは予測不可能だ。

05. Great American Techno Festival
10月8日 - 10月11日
複数のヴェニュー
デンバー、USA

Great American Techno Festivalの仕掛人である、米デンバー拠点のプロモーターJohn Templetonは、かつて自身の仕事を“困難との闘い”だと表現したことがある。実際に、コロラドで強力なテクノアクトをブッキングするのは容易なことではない。時間制限やヴェニュー不足があるほか、地元民が非常に大人しい為、こういったイベントは非現実的であると見なされてしまう。しかし時には、大胆に行動すること、そして自分自身が参加したいと思うイベントを企画することがベスト・アプローチとなることもある。それこそが、GATFがスタート以来続けていることなのだ。今年10月のフェスティバルでGATFは最後の開催となるが、そのラインナップは過去最高レベルと言っても過言ではない。Function、Patrick Russell、DJ Skurge、Headless Horseman、Carlos Souffrontといったアーティストたちが、送別会に華を添える。

RA Pick: 若きアップカマーNihal Ramchandaniは、今回のラインナップにおけるダークホースだ。

04. MUTEK.MX
10月21日 - 10月25日
複数のヴェニュー
メキシコ・シティ、メキシコ

毎年10月、メキシコ・シティは、南米でエレクトロニック・ミュージックを聴くのに1番の場所となる。そう、 MUTEK.MXが開催される為だ。モントリオールで開催されている兄弟フェスティバル同様、この5日間に渡るイベントでは革新的なコンテンツが展開される。今年のフェスでは、Lee Gamble、Koreless、そしてTakami Nakamotoがオーディオヴィジュアル・ショウを披露。その他のラインナップは、世界的なスター（DJ Koze、Tale Of Us、Ben UFO）や異端アクト（Lotic、Lee Bannon）、そして White Visitationをはじめとする地元の人気者など、興味深い顔ぶれとなっている。巨大なメトロポリスの中の陽気な雑踏の中で、衝撃的なイベントを体験できるはずだ。

RA Pick: Robert Henkeによる最新ショウLumiere 2.1は、今年のテーマである“Light”に完ぺきにハマるだろう。

03. roBOT Festival
10月7日 - 10月10日
複数のヴェニュー
ボローニャ、イタリア

Robot Festivalの本拠地であるイタリアの都市ボローニャほど、大型音楽イベントに適した街はそうそうないだろう。歴史豊かなこの街では、素晴らしい建築物や食文化を楽しむことができる。だが1番の強みは、この街のこじんまりとしたサイズ感にある。おかげで、クラブやヴェニューの間を行き来するのも苦ではなく、むしろ楽しい行為となるのだ。今年、フェスティバルの2つのメイン会場（クラブ系のBologna Fiereと、築100年のエンツォ王宮）には、世界各地の様々なテクノ、ハウス、エクスペリメンタルアーティストが登場。現時点で、Ben UFO、Levon Vincent、John Talabot、Lena Willikens、Holly Herndon、Powell、Trentemøllerの出演が決定している。

RA Pick: Helena HauffによるBologna Fiereのクロージング・セットが、ヘヴィーな音色でフェスティバルを締めくくる。

02. Unsound
10月11日 - 10月18日
複数のヴェニュー
クラクフ、ポーランド

Unsound 2015のテーマは“サプライズ”だ。ラインナップの一部（Holly Herndon、Laraaji、Shackleton、Surgeon & Starlight、Charles Cohen）は既に発表されているものの、プログラムの大部分は、パフォーマーがステージに登場するまでシークレットのままのようだ。「予期せぬ喜びは最高のものだ」と、クラクフ発のフェスティバルのオーガナイザーは語る。情報過多の世の中で耳が疲れきっている我々にとって、音楽こそがその喜びとなるだろう。また、ラインナップそのものに限らず、不思議で予想外のロケーションでのギグのセットにもサプライズが用意されている。私たちからのアドバイス？流れに身を任せるのが1番ですよ。

RA Pick: Laraajiとのニューエイジ・ヨガ/瞑想セッションが、パーティーでクタクタになった心を癒してくれる。

01. Amsterdam Dance Event
10月14日 - 10月18日
複数のヴェニュー
アムステルダム、オランダ

今年のAmsterdam Dance Eventでプレイしないアーティストはいるのだろうか？いや、いるかもしれないが、この秋ドイツの首都のカナル沿いをブラつき、街中を歩き回れば、いないような気もしてくるだろう。イビサの人気者（Solomun、Apollonia）から気骨のマスター（I-F、Ron Morelli）、テクノの重鎮（Robert Hood）、ルーマニアン（Raresh、Petre Inspirescu）、そしてドイツのヒーロー（Ricardo Villalobos）、はたまたGuettaやHardwellまで、ありとあらゆるギャングが一堂に会す。これ以上に完ぺきな音楽週間が世界のどこかに存在したとしても、我々は未だかつて聞いたことがない。今のうちから、見ておきたいDJをリストアップし、レンタルバイクを確保し、ADEだけが実現可能な寝る間もないほどのマラソンパーティーに備えておくことをオススメする。

RA Pick: Move DとGerd JansonによるB2Bほど“ピュア・ヴァイブス”と呼ぶにふさわしいものはない。