10.

Taicoclub

こだまの森、長野県、日本

6月4日 - 6月5日

日本においては、Fuji Rockでは巨大なステージとインディーミュージックを、Labyrinthではこじんまりとしたサイトで洗練されたテクノを楽しむことができるが、Taicoclubはその中間に位置するフェスティバルと言える。前述の2つのイベントと同様、Taicoclubもまた素晴らしい環境の中で開催され、木曽山脈に囲まれたキャンプ場、こだまの森をその舞台としている。東京から車で約3時間とアクセスしやすいこともあり、参加者は都会の喧騒を離れ、美しい自然の中で幅広いエレクトロニックミュージックを味わうことができるのだ。今年は、Oneohtrix Point NeverとArcaがそれぞれカッティングエッジなエレクトロニクスを披露するほか、Underground ResistanceのMad Mike BanksとMark Flashが、新プロジェクトDepth Chargeのライブセットで登場。また、Taicoclubが始まって以来11年連続の出演となるMoodmanとNick The Recordが、今年もディガーを困惑させるような素晴らしいセットを披露してくれるだろう。

RA Pick: Traxmanによるサイケデリックなフットワークは最高に違いない。

09.

Edit Festival

Haarlem Spaarnwoude、ハールレム、オランダ

6月11日

オランダのように多くのフェスティバルが存在する国では、周りから抜きん出る業を成すのは容易なことではない。そんな競争が激しい中、今年で5回目の開催となる Edit Festivalは、スターアクトとよりディープなラインナップのバランスを上手く取っている。Adana Twinsのようなアクトによる大衆受けのするセットも聴けるが、同じステージにPalmbomen IIのようなアンダーグラウンドタイプのアーティストがブッキングされているのだ。また、Editのプログラムはマシンミュージックを多くフィーチャーしている。Schwungステージには、古くからの盟友でありパートナーであるFunctionとO/V/R（Karl O'ConnorとJames Ruskinによるユニット）や、Tobias.を筆頭とするベルリン勢、更にはBorisが登場。だが、Audionステージもチェックしないとあなたはきっと後悔するはずだ。同ステージでは、Helena Hauff、Levon Vincent、そして2016年に入ってから大躍進しているCall Superがプレイする。

RA Pick: I-Fほど素晴らしく予測不可能なアーティストを見逃すなんて、愚か者のすることだ。

08.

Gottwood

Carregewlyd Estate、ウェールズ、イギリス

6月9日 - 6月13日

フェスティバルは、成長するに従って必然的に変わっていくものだ。となると、彼らにとっての試練は、内容が薄くなったりバランスが崩れたりすることがないように規模を拡大する道を探すことなのだが、Gootwoodは非常に上手くその試練を乗り越えてきた。それどころか、このウェールズのフェスティバルは年を重ねるごとに良くなっている。それに大きく関わっているのがラインナップだ。2016年は、Zip、Ben UFO、Tama Sumo、Awesome Tapes From Africa、Beautiful Swimmers、Prosumer、Jane Fitz、そしてCraig Richardsらが出演する。また、会場のセッティングもGootwoodの魅力の1つ。この夏らしい森の中のパラダイスについて、RAのHugh Taylorは“本当に美しい”とコメントしている。

RA Pick: 太陽を背に浴びながら、Beautiful Swimmersの音楽を楽しむ午後のひととき。素敵でしょ？

07.

Field Day

Victoria Park、ロンドン、イギリス

June 11

イーストロンドンのフェスティバル、Field Dayのプログラムが良い具合にまとまってきた頃、オーガナイザーはThe　Avalanchesが出演するという衝撃の発表をした。オーストラリア拠点のこの人気グループは今年、15年振りのライブツアーを行い、その一貫として同イベントへの出演を決めた。Field Dayが2007年にスタートして以来、最もエキサイティングなラインナップになったと言っても過言ではない。この9年間、同フェスティバルはロンドンの小うるさいクラウド達から評価を獲得してきたが、2016年もまた、その評価が間違っていなかったことが証明されそうだ。考えてもみてほしい。PJ Harvey、Novelist、Kelela、Holly Herndon、Dean Blunt、Skepta、Junior Boys、Floating Points、そしてRoots Manuvaが一堂に会す週末など、他にあるだろうか？

RA pick: The Avalanchesがこの15年間で、一体どんなものを作り上げてきたのかが見物だ。

06.

Primavera Sound

Parc del Fòrum、バルセロナ、スペイン

6月1日 - 6月5日

Primavera Soundは、スペイン版のGlastonburyのようなイベントだが、そこに泥は存在しない。5日間に渡るこの大型イベントは、6月の初めにフォーラム・パークに約20万人の観客を集め、あらゆるスタイルの音楽を太陽の下で繰り広げる。もともとはロックフェスティバルであったPrimavera Soundも、ここ数年でますますハウス、テクノ、そしてエクスペリメンタル勢の数が増えてきた。これらのスタイルのファンにとっては、今年はDJ Koze、Cabaret Voltaire、Maceo Plexと、例年以上に選択肢が広まっている。

RA Pick: Julia Holterによる魅力的なエクスペリメンタルライブセットは、心地よく、聴く者の心を虜にする。

05.

Weather Festival

パリ、フランス

6月3日 - 6月5日

今年4月、我々は世界のベストクラブを舞台とするイベントシリーズIn Residenceの一貫で、パリのConcreteにて4つのパーティーを開催した。このパリのボート上のヴェニューが愛されるのには、いくつかの理由がある。それは、エネルギー量が強力なこと、サウンドが素晴らしいこと、そしてプログラミングが最高なことだ。これらは全て、同クラブが主催する毎年恒例のフェスティバルにも当てはまる。2016年、Weatherは2年ぶりにブルジェ・エクスポジシオン公園で開催され、 Villalobos、Kraviz、Hawtin、そしてDettmannをはじめとする、ハウスとテクノにおけるあらゆるビッグネームを招聘する。今年のフェスティバルでは、72時間ほぼノンストップで音楽が鳴り続けるとのこと。少しでも寝たい方には朗報が。今年は会場内にキャンプエリアが設置されるそうだ。

RA Pick: Robert Hoodによるオールドスクール・ヒップホップセットは、見逃せない。

04.

Love International

The Garden Tisno、クロアチア

6月29日 - 7月6日

新しいフェスティバルを始める時は、慎重にことを進めなければならない。しかし、最初の年は失敗してしまうイベントもたくさんある。それでも尚、我々は皆さんにLove Internationalをオススメしたい。同イベントは、クロアチアで最も信頼のおけるダンスミュージックフェスティバルだったであろう、The Garden Festivalの生まれ変わりとして立ち上げられた。昨年のThe Garden Festivalの終結で気を落としていた人たちに朗報が届くまで、そう長くはかからなかったということだ。ほぼ同じメンバーのチームが運営するLove Internationalは、Motor City Drum Ensemble、Prosumer、Gerd Janson、そしてBicepといった太陽の似合うセレクターたちを招聘し、この夏で最も包括的なハウスとディスコのラインナップを実現させる。

RA Pick: Lord Of The Islesは優れたプロデューサーだが、最高のDJスキルを持っていることはまだあまり知られていない。彼の力をあなたの耳で確かめるチャンスを逃してはならない。

03.

MUTEK

モントリオール、カナダ

6月1日 - 6月6日

MUTEKには、毎年プログラムの裏にある捉え難い主張が存在する。それは、アンビエントであれジャッキンであれ、会場が着席型の劇場であれ満員のダンスフロアであれ、エレクトロニックミュージックは真のアートであり、そのように提示されるだけの価値があるという主張だ。従って、パフォーマンスも行う強烈なヴィジュアルアーティストたちは、彼らの感覚を最大限に発揮することができる。また、DJよりもライブアクトに重点を置いている為、アーティストたちにとっては、制作過程の斬新な楽曲を試験的に披露する場にもなる。例年同様、今年のラインナップもまた思慮に富んでいると同時にグルーヴィー。FunctionやSonja Moonear、Galcher Lustwerkを聴けるかと思えば、Tim HeckerやFrancesco Tristanoなどもブッキングされている。更にRAでは、Burnt Friedman、Jlin、Romareらをフィーチャーしたショウケースを開催する。

RA Pick: 衝撃的でコンセプチュアルなA/Vショウを行うAtom™は、いつだってMUTEKにピッタリなアクトだ。

02.

Glastonbury

Worthy Farm、ピルトン、イギリス

6月22日 - 6月26日

Glastonburyについては、もはやどこから話を始めたらいいのか分からない。もちろん、超アンダーグラウンド派でさえも認めざるを得ないほど、素晴らしいヘッドライナーやトップクラスのアクトたちを取り揃えていることについては説明不要だろう（Adele、New Order、Earth Wind & Fire等）。そして、900エーカー（約3.6k㎡、東京ドーム約78個分）の敷地内には、 The Field Of AvalonやSacred、Stone Circleなど、“様々な社会地理学的なエリア”が存在する。しかし、これらの要素は置いておくとし、フェスティバルのプログラム全体の中ではほんのわずかのエレクトロニックミュージックアクトだけに注目してみても、Glastonburyは依然としてこのリストの上位にランクインする。Silver HayesとThe Commonの間には、10以上のステージや、テント、ヴェニューが建ち並び、Perc & TrussからBen UFO、Eats Everything、そしてCold Cutまで、あらゆるアクトがプレイする。GlastonburyがUKの音楽カルチャーにおいて、何故これほどまでに神聖な存在なのかは、容易に理解できる。

RA Pick: 他の大型フェスティバルでもそうだが、GlastonburyでのUnderworldは特に必見だ。

01.

Sónar

バルセロナ、スペイン

6月16日 - 6月18日

6月の第3週末は、Sónarのおかげでダンスミュージックの年間カレンダーにおいて最も活気のある週末になる。バルセロナを本拠点とする同フェスティバルは、この20年間に渡り、巨大なスケールで音楽を見せるというアートを完ぺきに遂行し、クオリティには一切妥協せず、思い切った会場やプロダクションを選択してきた。しかし、この規模の大きさに惑わされてはならない。Sonárでは、ヘッドライナーはもちろん新進気鋭のアクトも要チェックなのだ。今年のラインナップは更に盛りだくさんとなっており、イビサのDJ（Richie Hawtin、Fatboy Slim）からアイコン的なグループ（New Order、Underground Resistance）、そしてライジングスター（Stormzy、Kelela）まで、様々なアクトが登場。お気に入りのDJを見る為にバルセロナへ行った参加者は、多くの新発見と共に帰路につくこととなる。それこそが、Sónarが長年に渡りこのリストのトップに君臨し続ける理由なのだ。

RA Pick: 今1番ホットな存在のグライムスターSkeptaが登場するが、Sónarは彼のキャリアの中でも最も大きなステージかもしれない。

6月に開催予定の全フェスティバルのリストはこちらからチェック.