Take、Hisashiから成るDJデュオ、Monkey Timersはかれこれ10年近く東京のダンスフロアをグルーヴィーに揺らしてきた。ニューディスコ〜ディスコダブを軸に、テクノやハウスも織り交ぜる彼らのセットは、フロアの温度を確認する冷静な視線に裏付けられていながら、聴いている者たちの予想を裏切ってやろうという遊び心が随所で光る。今年の8月に公開されたMonkey Timersの2ndシングル“Alabama”と、2013年の1stシングル“Monk”のPVを見ると、彼らの視点が他のDJとは少し異なるところにあることがわかるだろう。ノスタルジアをスタイリッシュに描いたそれらの映像作品では、見たところクラブ・ミュージックと何ら接点のなさそうな物語が展開するが、それはファッション業界に身を置く彼らだからこそ創り出せる世界なのかもしれない。

岡山生まれのTakeと、福岡出身のHisashi は上京し、ファッションデザインの専門学校で知り合い、意気投合。それまでロックやロカビリーなどを聴いていたTakeと、兄と姉の影響でヒップホップを聴いて育ったHisashiは、在学中に付き合いでクラブに行き、クラブ・ミュージックに興味を持つようになる。その後、両者ともにアパレル店に就職（TakeはBal、HisashiはHead Porter）。TakeがHisashiのアパートに半年ほど居候していた間、Hisashiが学生のときに譲り受けていたターンテーブルをふたりで触るようになり、DJユニットMonkey Timersが結成された。

彼らがこれまでリリースしてきた3枚のミックスCD『Disko Klubb』、『Klubb Syndrome』、『Future Klubb』はその見事なセンスと構成力でディスコ界隈を代表するトップDJたちの目に留まり、彼らが主催するパーティーは東京のアンダーグラウンド・ディスコシーンのあり方を常に更新してきた。今夏に自主レーベルから500枚限定プレスでリリースした2nd EP「Alabama」は、発売とともにあっという間に店頭から姿を消した。今後もどんどんと面白いDJユニットへと成長しそうな予感を抱かせてくれるMonkey Timers。ベテランでなければ、若手でもないふたりはこれまで何を見て、今はどの方角に目を向けているのか？五本木Jazzy Sort Music Shopに併設されているBalのフラッグシップストアにて、TakeとHisashiのふたりに話をきいた。

ディスコにハマったのはいつ頃でした？

Take：働きはじめてからですね。上司がきいてる音楽を通してRub N TugとかDJ Harveyを知ってずっぽり。もともとディスコのイメージがあまりよくなかったんですよ。なんていうか、「ジンギスカン」とか（笑）。「ハッスル」とかマハラジャとか。あまりピンときてなくて。でも70年代後半から80年代半ばとかだとロックぽいのもあるし、DJ Harveyもそういうのかけるんですよ。そういうの探してる内にハマって。「こういうディスコもあるんだ！」って。

Hisashi：全く同じですね。会社に入ってからです。そういうのをかけてる人たちが周りにいて。結局ヒップホップのネタってソウルとかファンク、ディスコじゃないですか？だから繋がったんですよね。「ああ、ここに来るんだ」っていう。

クラブ通いを始めたときによく行っていたクラブとか、後のMonkey Timersの活動に影響を与えたクラブってありました？

Take：Yellowじゃないかな？

Hisashi：たしかに。すごい行ったよね。一番衝撃だったね。

Take：Yellowに行けば毎週楽しかった。

Yellowにあって、今のクラブにないものって何でしょう？

Hisashi：単純に今はもうクラブに行き慣れたからそう思わなくなっただけなのかもしれないんですけど、なんか当時敷居が高かったんですよね。入るのが怖かった。「よし！」って気合入れて行く感じ。エントランスも安くなかったし。20歳とかそこらの僕らにはそういうイメージがあった。

Take：洋服屋とかでも、店員さんがあまり喋ってくれないから“頑張って”行く、みたいなのあるじゃないですか？ Yellowもそれに近かったのかな。今では皆（当時のスタッフ）仲良く話してくれるんですけどね。

Hisashi：行ったら全然知らない大人が奢ってくれたりとか。

Take：音が良いとか悪いとかはまだその時わからなかったんですけど、なんか背伸びできたんですよね、あそこに行ったら。

Monkey TimersとしてDJ活動を開始したとき、ソロではなくユニットとしてやりたいと思ったのは何故でした？

Take：Force of Natureとか、Traks Boys、Idjut Boysとかがなんかすごくカッコ良く見えたんですよね。あと、ふたりとも買ってるレコードがほぼ一緒で。

Hisashi：ひとりでやるのとふたりでやるのはぜんぜん違うんですよ。ひとりだと自分のエゴというか、好きな曲をひたすらかけてしまって。視野が狭まるんです。ふたりだと気づく点がいっぱいある。「あ、これも面白いな」とか、「この曲からこういくとこういう雰囲気出るんだ」とか。

Force of Natureとはよくイベントでも一緒になっていますね。Monkey TimersにとってForce of Natureはどういった存在ですか？

Hisashi：お兄さんみたいな感じですね。

Take：めちゃくちゃ可愛がってもらってます。距離が近くなったので忘れがちなんですけど、久しぶりに音源聴いたら「やっぱすげぇ！」ってなります。「早くアルバム出さないかな」みたいな。DJ聴いてると、ふいにすごいことが起きたりするんですよ。ハプニングみたいなこと。予想外というか。「前と同じような流れかな」とか思ってると驚かされるんですよ。ひとりひとりでもちろんカッコ良いんですけど、ふたりのときが更に良いですね。ふたりとも全然選曲が違うし、やり合ってる感が良いんです。

2014年のBoiler Room TokyoではForce of Natureと共にDJ Chidaと共演していますが、Monkey TimersにとってDJ Chidaとの出会いはひとつの転機になったようですね？

Take：Chidaさんは最初に僕らをフックアップしてくれた方です。そこまで面識もないのにいきなりミックスCDを渡したら、凄く良いって言ってもらえて、まだ無名だったのにOathで２組だけでイベントを開催してくれて。そのとき見たChidaさんのプレイが衝撃的だったんですよ。僕らはその頃、皆が知ってる曲をかけるDJはカッコ悪いと思ってて、「珍しくて誰も知らない曲をかけよう」って思ってやってたんです。でもChidaさんがかける曲は知ってるのにすごいアガっちゃって。繋げ方だったり、ボリュームコントロールだったりで「この人ヤバいな！」って思いました。

2013年に1stシングル「Monk」をリリースしていますが、オリジナルトラックを作りたいと思ったきっかけは何でしたか？

Take：僕らと同じようなDJなんていっぱいいるんで、何かに特化したかったというか。DJは皆自分が一番カッコ良いと思ってやってると思うんですけど、僕らもトラックを作ったら誰よりもカッコ良いものが作れるだろうって思ったんで。あと、僕らくらいの人でダンスミュージックをやってる人って、ちゃんとPVを作ったり広告を打ったりしてる人が少ないと思うんですよ。僕らはもっと多くの人に自分たちのことを知ってもらいたいと思ってるんで、その辺は頑張ろうと。

レコードのリリースからPVの制作まで、自分たちで費用を出して制作をしていますよね。自分たちで全てをコントロールしたいっていうDIY精神の現れでしょうか？

Take：最初は単に早くリリースしたいっていうのが大きかったんですよ。海外のレーベルに送ったところで名前も知られてないからレコードでリリースなんてなかなかできないし、なら自分たちでやろうと。

Hisashi：自分たちがある程度コントロールできる範囲内で動くっていうのがまず大前提でした。自分の手元から離れていくと、違った方向性になっていってしまうことが他のアーティストを見ててもあるので。でもリミックスの依頼とかあればやるし、他のところで何かやることに否定的なわけではないんです。

Take：本当は自分たちのレーベルで海外に流通したかったんですよね。でも今回の「Alabama」は9割国内で消化しちゃったんですよ。海外の進出狙うなら、今後海外のレーベルから出しといたほうがいいのかなとは思いますね。この前Force of Natureに海外はどうしたのか聞いたら、やっぱり海外のレーベルからも自分たちのレーベルからもアルバムを出してるって言ってて、それもありだなって。そうしないと海外は難しいのかなって思いますね。

“Monk”と”Alabama”のPVは映画のような作りですね。しかも、その世界観にはいわゆるクラブ・ミュージックっぽさは皆無です。そういった音楽を聞かない人にも届けるためですか？

Take：まさにそうです。クラブ・ミュージックのPVってなんかグラフィックがただ動いてるだけのものとかが多い気がして。それも好きなんですけど。あれってシラフじゃ見れないじゃないですか？（笑）普段クラブに行かない人にも届いて欲しいという気持ちはありました。

Hisashi：入りはなんだっていいのかなって思うんです。出演していただいた俳優さん、モデルさんに興味を持って見てくれて、「なんか音楽もいいな」ってちょっとでも思ってもらえたらそれでいいし。

Take：グラフィックなものだったらリピートしないですよね。まぁ、あれが正解かどうかはまだわからないんですけど。色々やってみたいってのはあります。

なるほど。ところでどちらのPVにも俳優／DJの村上淳さんが主演しています。村上さんとはどういう繋がりなのですか？

Hisashi：一緒に山梨に行ったり、水戸に呼んでもらったり、仲良くさせてもらってます。映画祭やるからDJやってくれって呼ばれたり。出会いは10年くらい前ですね。地方にDJで行くからレコード持ちでついて来てって言われたのがきっかけでした。

2nd EP「Alabama」はどういったコンセプトで制作を進めたのですか？

Take：「Monk」とは違うものを作りたかったんですよ。もうちょい踊れるやつを。”Alabama”は3曲ぐらい出来たのを繋げて1曲にしたんで展開がすごくあります。”Monk”も展開があってエモーショナルなトラックだったし、それは自分たちにしかできないことだと思ってるんで、それを大前提にして、いったいどういった曲が作れるかな？って考えて。その頃「今ピアノがキテない？」って話をしてたんで、ピアノハウスを作りたかったんですよ。

Hisashi：丁度、90年代のハウスとかを掘ってプレイしてた時期だったんですよね。新譜と旧譜混ぜながら。

Take：で、ピアノハウスを作り始めたときにXTALさんが先に出したんです。「うわ、ヤラれた！」みたいになって。「やっぱココ聴いてんだ」って。

Hisashi：あれはカッコ良かったねー！

Take：「うわーどうしよう」みたいになって、それからはとにかくどんどん自分たちっぽい要素を入れていこうっていう作業で。ディスコっぽい要素を入れようってなってディスコのボーカル・ネタ、パーカッションを入れたり。ピアノは映画『True Romance』で使われている曲のリフを弾き直してるんですけど、だからタイトルが“Alabama”って言うんですよ（註：映画の主人公の名前がアラバマ）。でもワルいベースラインも欲しいなって思って最後にベースも入れて。出来たものを組み合わせるのにすごく時間かかっちゃいましたね。

制作にはどうしても時間がかかっちゃうんですよ。僕ら休みが週一でなかなか制作の時間がとれなくて。土曜にDJが入っちゃったら日曜はもうただ寝るだけなんで。それに、自分たちが完璧に納得してから出したいって思ってるんで。

そういった理由があって前作のリリースから3年空いてしまったんですね。

Take：そうですね。時間がかかり過ぎですけどね。あと、全部自分たちでやろうとしないで、諦めるのも大事だなって最近気づきました。今回ミキシングに凄く手こずって。4人くらいにお願いしたんですけど、なんだかしっくりこなかったんです。（Force of Natureの） DJ Kentさんに聴かせてみたら反応もイマイチで。で、ANDYとかMYSSっていうグループで活動していたMasayasuくんが「俺ミキシングできるよ」って言うんで彼にやってもらったら、マジで良かったんですよ。僕らがやってるDisko KlubbというパーティーにKentさんを呼んだとき、早速それをかけてみたら「コレ何？」って言われて。この前のあれですよって答えたら、「おお、すげぇ良いじゃん！」みたいな。Masayasuくんには本当に感謝してますね。

Hisashi：やっぱり感覚が近いよね。

Take：「Monk」のときは得能直也さんに頼んだんですけど、今回は得能さんにマスタリングだけやってもらって、Masayasuくんにミキシングをやってもらったんです。ミキシングは専門的な知識がないと無理だし、得意な人に任せるのが一番だと思いましたね。そういう意味で諸々諦めたほうが良いなって。制作も、実機とか買って作ろうと思ったんですけど、変な話、MIDIさえあれば実機を持ってる人に借りてそれを差し込んじゃえば同じ音で出来るし、全部揃えなくてもいいなって。そういう諦めですね。もちろん基本の部分は自分で作るんですけど。

「Alabama」の”Plastiq”は、“Plastic Dream”という曲のカバーとして作ったトラックで、「Monk」のときに出す予定だったんですけど、レコードを両面45回転にすると尺的に入らなくてお蔵入りになったやつです。今回Keita Sanoにリミックスしてもらうことになったとき、“Alabama”じゃなくて”Plastiq”をお願いしようってなって。オリジナルの”Plastiq”は結局今回も入れられなかったという。

Keita Sanoさんとはどういう縁なのですか？

Take：地元が同じ岡山なんですよ。出会ったのは4, 5年前で、デモをよくもらうんです。今は売れっ子ですけど当時は「レコードを出したい」って毎回言ってて。そのときはもっとロウ・ハウスっぽくて、ちょっとDJでかけられないなぁって思ってたんですけど、いつからか急にディスコを作りたいって言い出して。週一くらいで音源送ってくれるんですよね。それで今回リミックスをお願いしたら、一日で仕上げてきたんですよ！仕事早すぎるだろって。

多作な方だとは思っていましたが、それほどまでとは。“Summer Ace”に参加しているAwaは、Monkey Timersが楽曲制作を始めるきっかけを作った張本人だそうですね？

Take：曲を作りたいなぁと思ってたけど、機材もなくて知識もなかったとき、中野のHeavy Sick Zeroでライブをやってるビートメイカーがいて、「お、カッコ良いじゃん」って思って。話しかけて「曲作りたいからちょっと手伝ってくれないって？」ってお願いしたんです。AwaはTheo Parrishとかそっちが好きで、僕らが作りたかったのはもうちょっと白い曲だったんですけど、「こうじゃない」、「ああじゃない」と僕らが色々言うのを彼がちゃんと形にしてくれて。彼にノウハウを教えてもらった感じですね。彼はもともとAORのバンドもやっていてギターも上手いんですよ。今回の「Summer Ace」でもギターを弾いてもらってます。彼がソロでやっている音源もカッコ良いので是非チェックして欲しいです。

制作はどういう役割分担で行っているのですか？

Take：制作の作業は僕が担当していますが、ある程度出来た段階でHisashiにチェックしてもらって修正していく感じです。HisashiはMonkey Timersの方向性決めやPRなどやってもらってます。PV、レコードのパッケージを決めたり経理含め、店舗の管理や媒体への打ち出し、見せ方など全てを任せています。

8月19日にLESSという新しいパーティーの第1弾を代官山UNITで開催していましたね。Monkey TimersとokadadaがレジデントDJ、そしてYOSHIROTTENがデザインやビジュアルを担当し、ライブはXTALとKeita Sanoというラインナップでした。これまでMonkey Timersが主催してきたMonkey ClassicsやDisko Klubbといったパーティーとはどう違うものになりました？

Take：結構違いましたね。YOSHIROTTENというデザイナーを入れたことがまずデカくて。とにかく新しいことをしたかったんですよ。okadadaくんと僕らという組み合わせもこれまでありえなかったし。彼のDJも凄く良くて、そこにXTALさんとSanoのライブがあって。2つもライブを入れたことも新鮮だったし。今後も不定期でやっていきたいんですけど、次どうするか難しいですね。今回かなり良かったんで。

Hisashi：バランスがすごく良くて。YOSHIROTTENは世界でも活躍しているデザイナーなんですけど、彼の世界観が凄く良かった。彼もDJをしてるんで、見せ方が上手いというか。

Take：フライヤーから凄かった。フライヤーが型抜きなんですよ。YOSHIROくんにどういうフライヤーにしたら面白いかな？って話したら、「じゃあ型抜きやろうよ」って言われて、その発想はなかった！って。

Hisashi：最初はクリアとかも言っていたよね。

Take：作るのに6万くらいかかってて。そんなパーティーいままでなかったじゃないですか。でもそういや、DJ始めたときってフライヤーとかめちゃめちゃこだわったよなぁって思って。そういう初心を忘れたくないって思いましたね。で、その案をUNITのダイキくんという人に伝えたら、面白いからやろうってなって。このダイキくんて人はすごくイベントを打つのが上手いんですよ。Weeken’とかErectionとかのパーティーをやってて。ちゃんと先が見えてるっていうか。

Hisashi：ココとココを組み合わせたら面白くなる、とか。

Take：今の若いコがどういうパーティーを楽しみに来るのかをわかってるんです。LESSでビックリしたのが、お客さんがUNIT埋まるくらい入ってて、それって僕らだけのパーティーだとありえないコトなんですけど、しかもほとんど知らない人だったんですよ。Keita Sanoのファンとか、僕らのお客さんも多分そんなに多くなかったと思うし、okadadaくんは拠点が大阪だし。単純に「このパーティー面白そう」っていうので来てくれてる人が大半で。これってすごいなと。

Hisashi：オシャレだったね。

Take：来てるお客さんもオシャレだった。デコもしっかり入れて、Life ForceとかやってるMixerにVJをお願いして、得能さんにPAをやってもらったから音もバッチリだったし。すごい気持ち良かった。あれは良いパーティーでしたね。

Hisashi：あとTakimi Kenjiさん、Inoue Kaoruさんも来てた。

Take：Kaoruさんなんて、かなり前から「楽しみだね」って言ってくれてたし。それがすげぇ嬉しくて。

10年近く東京で活動してきたMonkey Timersに今の東京のシーンはどう映っていますか？

Take：少し前まではテクノとかエレクトロなどの現場で僕らのジャンルでDJするのって難しいなって感じることもありましたが、今はそういう現場に出させてもらうことが増え、ディスコのリエディット物などをプレイする機会が多くなった様に思います。逆に僕たちもテクノをかけたりしますし、お客さんも素直に反応して踊ってくれていますね。そういった意味では最近、良い方向に向かっているんじゃないかなと思います。

それってTodd Terjeがガツンといったからなのか、それとも10年周期とかなのかわからないですけど、そういや10年前もいわゆるディスコダブがグイグイ来てたなって思うし、進化はしていますがちょっとそれに戻りつつあるのかなって。海外でもTakimiさん、Chidaさん、COS/MESとかがすごい活躍してるじゃないですか？そういうのもあって、多少なりとも日本人の見方も変わってきてるのかなって。最近やっとそう思えるようになってきましたね。

以前はジャンル間に隔たりがあると感じましたか？

Take：隔たりというよりかは、リエディット物はもちろん、ディスコダブだったりニューディスコと言われるジャンルが単純に若いお客さんに浸透していなかったんだと思います。

現在はアパレルの仕事を続けながら音楽活動を行っていますが、音楽一筋で食べていくことは考えたりします？

Hisashi：考えてないですね。

Take：服屋で働いたり、音楽仲間以外の人と遊んでると、見えてくるものがあるというか。客観的になれるんですよ。そういう環境でリリースとかしたほうが僕らっぽいのかなって思います。音楽で食べていこうとしてる人が「Alabama」みたいな盤切らないでしょ、普通。

Hisashi：切らない！（笑）

Take：180gでね！絶対赤になるのに。でもそっちのほうがカッコ良いと思うし。

Hisashi：ホント客観的に、俯瞰で見れるっていうのがあるんですよね。音楽だけに集中しちゃうと、たぶん売れないと思うんですよ。もう少し視野を広げて、色々考えた上でリリースとかしていきたい。DJのときもそうですね。広い視野でお客さんの反応を見てやりたい。

Take：音楽一筋でやってる人はかっこいいですけどね。

Hisashi：凄いとは思うけど。あと単純に僕ら飽き性なんですよね。色々なことやってたほうが楽しいんじゃないかな。

Take：自分たちにはできないことってあるじゃないですか？僕らはめちゃくちゃ鍵盤弾いたり、ギター弾いたりできないんで、バンドのライブとか見るとカッコ良いなって思っちゃうんですよね。普通に見入っちゃう。そういう意味で、ファンでいられるというか。音楽一筋だとライバル的に見ちゃうかもしれないじゃないですか？

Hisashi：良い距離感だよね。