Chapter

01

In Residence

Goa Club, Rome

世界12カ所でのベスト・ダンスフロアーでの祝祭

2016年に始動したIn Residenceシリーズは、1年間を通して世界12カ所のベスト・クラブを巡りながら各地でそれぞれ1ヶ月間にわたってパーティを開催し、クラブカルチャーを讃えようという企画である。クラブという空間は、日々脈動するダンスミュージックにとっての心臓部といってよく、今年我々が巡る12カ所のクラブは各地のシーンを盛り上げつづけている重要なヴェニューである。週末が訪れるたびにクラブのドアは開き、その中ではわたしたちの愛する音楽がプレイされている。

各地のクラブへそれぞれ1ヶ月間にわたって滞在するにあたり、我々はそれに連動した特集記事を展開していく。さまざまなメディアを組み合わせながら、これらの象徴的なクラブの全貌を捉えていこうと思う。

Goa Clubはイタリアでも最長の歴史を持ち、最も美しいといわれるベスト・クラブのひとつだ。極めて精巧なインテリアデザインを有するこのクラブは、1996年のオープン以来、ローマの人々にハイクオリティなウィークリー・プログラムとエレクトロニック・ミュージックを提供し続けている。また、このクラブは人々がリラックスための場所であると同時に、素晴らしいダンスを提供するための場所としての二面性を見事に両立しているのだ。

Oct 13 RA In Residence, Goa Club, Rome feat. Silent Servant, Daniel Avery

Oct 14 RA In Residence, Goa Club, Rome feat. Jeff Mills, Neel

Oct 27 RA In Residence, Goa Club, Rome feat. Konstantin, Job Jobse

Oct 28 RA In Residence, Goa Club, Rome feat. Rhadoo, Domenico Rosa

Chapter

02

主要情報

Goa Clubの概要

01
所在地
Via Giuseppe Libetta, 13, 00154 Roma, Italy
02
設立年
1996
03
サウンドシステム
Audio Factory
04
ダンスフロアーの数
1
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キャパシティ
700
06
レジデントDJ
ADIEL, DJ Red, Fabrizio Sala, Giancarlino, Marcolino, Silvie Loto

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03

歴史

退廃とダンスと

Goa Clubの魅力は、決して数字や言葉だけでは伝わらない。世界中のベスト・ヴェニューと呼ばれる場所がそうであるように、このクラブはまず実際に足を運んで体験してみなければわからない部分がたくさんある。このクラブのインテリアのテーマは、英国の侯爵が所有するインド風の邸宅だそうだ。その控えめな外観からはにわかに想像し難いが、このクラブの内装はそのサウンドシステムと同じくらい精緻な作りとなっている。このクラブの内部は最新のデザインが施されており、至る所にお香やキャンドルが置かれ、豪奢なサテン生地のタペストリーや綺麗に磨かれた調度類、煌びやかなアクセサリー、そして金や黒、紫といった艶やかな色彩がそこかしこに溢れている。この快適性とラグジュアリー性のユニークなブレンドこそ、Goa Clubの象徴といえるだろう。「これぞプロパーな正しいクラブって感じだろ？」と語るのは、2008年からこのクラブの共同経営に加わったFabio Colicchi。彼は「ここはゆったりと座ってお酒と会話を愉しむための快適なスペースなんだ」と続ける。Goa Clubをローマの名物スポットたらしめている理由は数多いが、こうしたリラックスしたヴァイブは間違いなくそのひとつだと言えるだろう。

だが、Goa Clubのミュージック・ポリシーはそれとはまた別のものだ。Goa Clubは開店まもないごく初期の頃からヨーロッパのクラブ・サーキットに参入していた。スタッフたちはインスピレーションを得るためにフランクフルトやロンドン、イビザへと飛び、Cocoonやfabric、DC-10といったクラブを訪ねまわってきた。Goa Clubはやがてインターナショナルなアーティストたちやヨーロッパ各地のホットスポットを巡るジェットセッターたちがこぞって集う場所となり、その状況は現在でも変わらない。Goa ClubはSven Väth、 Luciano、Ricardo VillalobosといったDJたちが現在のような超ビッグネームになる以前から積極的にブックしてきており、VäthとVillalobosは現在でも定期的にこのクラブでプレイしている。

1996の秋にローマ南部のオスティエンセ工業地帯の一画にGoa Clubがオープンした当初は、今のような姿はまったく想像できなかった。だが、Goa Clubは最初から明確なヴィジョンを持っていた。そのヴィジョンとは、世界に誇れる音楽のためのステージとなり、世界中のクラウドの嗜好を反映した実験と折衷主義のための場所となること。クラブシーンを取り巻く状況はこの20年でかなり多くの部分が変化したが、Goa Clubにとってのこの基本理念は今もしっかりと保持されている。

Goa Clubがローマに登場したのは、絶好のタイミングだった。90年代を通してこの街を席巻したのはレイブ・シーンであった。Goa Clubで最も長くレジデントを務めているSimona CalvaniことDJ Redは「90年代当時、パーティはもはやナイトクラブだけの特権ではなくなっていた。野外や倉庫、廃工場やスクワット（不法占拠）された場所でレイブが行われ、そこへ何千人もの人々が集まるようになったんだ。ほんの短い時期だが、僕はナイトクラブがカルチャーにおける改革の最前線たる役割を失ってしまったのではないかと危惧していた」と回想する。たった約10年ほどの間に興奮と停滞がひしめき合って同居する — 90年代とはそういう時代だった。「ローマには、何か新しくて明快なものが必要だったんだ」とCalvaniは語る。「この街にはクールな人々が集い、質の高い音楽がプレイされるスタイリッシュなヴェニューが欠けていた。ローマにあった他のナイトクラブは、旧態依然のまま変わろうとはしていなかったから」

設立時のメンバーであるFabrizio Caccetta、Danilo Proietti、Pierluigi Di Filippoらと共に、Giancarlinoは彼が言うところの「暗く、誰からも忘れ去られた」オスティエンセのリベッタ通りに面したとある物件を購入した。ここはローマ中心部から離れた寂れた場所であり、近隣には廃墟となったスペースが溢れていた。「Goa Clubが生まれた場所は、ローマの卸売市場のすぐそばにある古い倉庫なんだ」とGiancarlinoは語り、「最初の数年間、翌朝3時の市場の開場を待っている運搬トラックの間に客が行列を作っていたのさ」と続ける。この倉庫は元々機械工たちが工房として使っていた場所で、その後別の経営者がクラブに転用したが、あえなくオープン3ヶ月後にはクローズに追いこまれていたという。「僕らが入居する以前のあの場所は冷えきって、魂が一切感じられない空洞のような場所だったよ」とGiancarlinoは物憂げに言う。

近年におけるGoa Clubの内装デザインは、主にMatteo Parentiが先導して行っている。Parentiは職人的なテクニックを持ち味とする地元ローマのデザイナーである。彼は過去7年間においてGoa Clubと共に仕事をしており、クラブ内を彩る唯一無二のアートワークを提供している。2009年、ParentiはGiancarlinoから直々にこのクラブの全面改装を一任された。この空間は、近年では年を追うごとにダイナミックな変貌を遂げており、Parentiらによって制作されたフレッシュな作品群がクラブ内を彩っている。それはまるで舞台美術的のようでもあり、楽しげで劇場にいるような感覚をもたらす。壁面を覆い尽くさんばかりの勢いで描かれたペインティングはもとより、彫刻も鎮座し（現在ダンスフロアーの上部には回転木馬が吊るされている）、さらには客を楽しませるインタラクティブな仕掛けまで施されている。「毎年この舞台美術は一新されるんだ。クラブに遊びにきてくれる人々がそれぞれ劇の主人公になったつもりで、さまざまなストーリーや舞台を体験してもらいたいからね」とParentiは胸を張る。

Goa Clubのデザインとレイアウトは、すべてダンスフロアーを中心に考えられている。ダンスフロアーからやや上に位置するDJブースはオープン構造となっており、アーティストたちはクラウドに囲まれてプレイすることを意味する。両サイドにはブースを背後から見下ろすようなかたちでプラットフォームが置かれ、装飾された鉄格子だけがDJとクラウドの間を仕切っている。バックステージ的なものはなく、ただドレープで仕切られたスペースがクラブ事務所に向かう廊下の途中にひっそりとあるのみだ。ここの壁面は、これまでこのクラブでプレイしたDJたちのサインで埋め尽くされている。オープン年にライブを行ったPearl JamのEddie Vedderのサインはその中でも最も古いものだろう。筆者は、Gilles Petersonのサインの横に並んでAfrika BambaataaやFrankie Knucklesのサインも発見した。

Goa Clubはオープン当初しばらくは週6日間営業していたが、現在は木曜から土曜までの営業に改められており、不定期ながら日曜のデイタイム・イベントも行われている。After Teaという名で行われている日曜のパーティは、このクラブの初期から行われているものだ。Alessio ArmeniことFreddy K（ローマ出身で現在はベルリン在住）は、'00年代初頭からこれまでに何度もAfter TeaでプレイしてきているDJだ。当時、ArmeniはSandro Nasonteと共にRemixというレコードショップで働いており、このショップはElettronica Romanaというレーベルも運営しDonato DozzyやGiorgio GigliのファーストEPをリリースするなど強い影響力を持っていた。After Teaのパーティ時にはクラブ内でマーケットも開催され、そこではRemixも出張しヴァイナルやCDなどを売っていた。Armeniに言わせると「まるで小さな村のよう」だったという。

また、週6日営業の時代には火曜日にGorgeousというゲイ・ナイトが行われており、Jimmy SomervilleをはじめImagination、Marco Moreggia、Kikko Messinaがレジデントを務めた。水曜にはライブハウス的な営業スタイルでオープンすることもあった。Calvaniがこのクラブと繋がりを持ったのは、彼女がModulaというパーティのレジデントとしてオーガナイズに関わるようになったことがきっかけだったという。Modulaはいわゆる当時の “インテリジェントな” エレクトロニック・ミュージックに焦点を当てたパーティで、ここではGescomやMouse On Mars、LFO、Burnt Friedman、Funkstörung、Kid606、Jimi Tenor、Two Lone Swordsman、Vitalic、DJ Spookyといったアーティストたちがゲストに招かれプレイした。

「わたしはファンクからトリップホップ、アフロ、ハウス、USガラージまであの場所でプレイされる様々なジャンルの音楽を聴いてきたわ」とCalvaniはGoa Clubでのクラウドの1人として音楽を楽しんでいた初期の時代を回想する。「あの当時、DJたちはそれぞれ多様なジャンルの音楽をプレイしてたわ。これは今のシーンとはまったく異なる点ね。今のDJは、ある特定のスタイルの音楽から外へ逸脱したものをプレイすることはめったにないもの」と彼女は続ける。NozooやTouch The Woodといったパーティを通して、Goa Clubの週末では主にハウスがプレイされていることは現在でも変わっていない。

木曜に開催されているUltrabeatは、おそらくGoa Clubきっての名物レギュラーパーティといってもいい。このパーティは1997年にGiancarlinoとClaudio Coccolutoが立ち上げたもので、Coccolutoは前身パーティでプレイしていたFabrizio CaccettaおよびPierluigi De Filippoと入れ替わる形でこのUltrabeatに加入した。筆者自身がGoa Clubに初めて訪れた際に行われていたのも、このUltrabeatであった。私は今年の秋のオープニング・ナイト（ローマっ子は夏の間は外で過ごすことを好むので、夏期はクラブも休業となる）にこのパーティを訪れた。ゲストにはDJ RedとEllen Allienが招かれ、ウォームアップではこのクラブではまだ新顔のレジデントであるADIELがプレイしていた。すべてのDJが一晩中完全にヴァイナルのみでプレイしていた。このオープニング・ナイトは一年中で最も賑わう夜のひとつだ。クラブにタクシーで向かう途中、タクシードライバーは私を近くの通りで降ろし「あそこに見える人の群れについていけばクラブに着けるよ」と告げた。

同じ区画には2つのクラブが営業しているが、Goa Clubはその右側に位置する。看板のようなものはなく、ファイバーグラス製の流し目のクロコダイルが目印としてあるだけだ。このクロコダイルはGoa Clubのマスコットである。私は午前1時前に到着したが、店内はすでにクラウドでひしめき合っていた。きっちりとめかしこんだキッズたちに囲まれてほとんど動くこともままならない状態だったが、誰もがダンスのためにここへ来ていることは明白だった。ダンスフロアーは、スタッフたちも含めてすし詰めのような状態になっていた。「僕はダンスフロアーで他のスタッフたちと一緒になって踊っているから、すぐに見つけることができると思うよ」とColicchiは言った。「うちのスタッフは皆揃ってダンスが好きで、これが僕らのチームの最大の強みなのさ。僕らが新しいスタッフを雇うときの条件は “まずなによりも音楽が好きでなければならない” ってことだからね」

翌金曜の夜、私はAnarchy In The Clubというパーティを訪ねてみることにした。このパーティは、8年前にColicchiがこのクラブに引き入れたパーティで、それ以前はイリーガルにスクワットされたローマ市内中心部の廃学校で行われていたそうだが、その場所は使用できなくなってしまったという。スクワット・スペースから豪奢なGoa Clubへの変化はさぞかし大転換と言うべきものだったと想像するが、このパーティはGoa Clubへ移ってからも依然としてそのアヴァンギャルド的なルーツを維持している。昨夜のUltrabeatでの喧騒とはうって変わり、この夜は数人のカジュアルで粋な人々が店内でゆったりと寛いでいた。まるでまったく違うクラブにやって来てしまったかのような錯覚すら覚える。私は椅子に腰掛けてお酒を飲んでいたが、ふとした瞬間にColicchiが最初にこのクラブについて語っていたことを思い出した。つまり、居心地の良さと落ち着いた我が家のような雰囲気である。その後、私はダンスフロアーの片隅に足を組んで座り、Alessandro Cortiniの潮の満ち引きのようなアンビエント・ドローンに身を委ねながらそのライブショーの一部としてプロジェクター越しに上映されていたファミリー・ムービーを眺めた。

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レジデント陣

...写真紹介

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重要人物

Luciano Carbone

アーティスト送迎ドライバー担当

Ultrabeatにおけるオープニング・ナイトの喧騒の中、筆者はLuciano Carboneという男に会った。DJブースを忙しそうに出入りする彼の姿は、すぐに私の目についた。白いTシャツに身を包み（そこにはいみじくも「All my friends are DJs＝俺の友達はみんなDJ」という文字がプリントされていた）、濃い髭をたくわえたこの男の姿は主に暗い色の服を着たクラウドたちの中で一際目立っていた。私は「この男はいったい何者だ？」と思いつつ、おそらくこのクラブのオーナーか何かだろうと想像していた。だが、実はCarboneはこのクラブでドライバーを務める人物なのだ。そして、彼はこのGoa Clubの最も熱烈なサポーターともいえる存在である。

Carboneはこのクラブでドライバーを務めるようになってまだ1年ほどに過ぎないが、ある意味で1996年のオープン当初からのこのクラブの風景の一部であり続けている。「僕がもっと若い時、このクラブにはもともとPR担当として入ったんだ。若いといっても、当時すでに28歳だったけど」と彼は切り出す。現在48歳となった彼はもはやこのクラブ内では古豪といえる存在であり、このクラブがまだ不安定な時期を過ごしていたオープン当初から現在の世界的な名声を得るまでの過程をずっと愛おしく見守ってきた。

このクラブがオープンして働きはじめた当時、彼は土曜のパーティのプロモートを担当した。彼は生き生きとした様子で「最初のシーズンが終わって、クラブから『君たちはかなりいい感じでやってるし、木曜にもパーティをやってみないか』って言われたんだ。今でこそGoa Clubの木曜は名物パーティと言われるけど、最初のシーズンには木曜のパーティは存在しなかったんだ」と回想する。当時House Motionという名で始まった木曜パーティは、その後に続くUltrabeatへの布石となる。以来、この木曜のパーティはGoa ClubにとってもCarboneにとってもかけがえのないものになっていく。

それから10年後、Carboneはクラブの従業員としての立場は離れたが、彼はこのクラブから決して去ったわけではない。「僕はいつもクラブに足を運んでいるよ。レジデントの連中とはずっと関係が続いているし、その夜にクラブがオープンしてからずっとここにいる。常にね」と彼は打ち明ける。「従業員としての立場を離れてもう10年になるけど、その後もずっとこのクラブに居続けているわけさ」と語る彼は、まるでGoa Clubが誇りとしているホスピタリティをそのまま体現しているかのようだ。彼は私に紙切れを手渡し「何か困ったことがあったらいつでも電話してくれよ」と言ってくれた。次の夜、彼は宿泊先まで私を車で送ってくれたばかりか、その途中で即興のローマ市内観光案内までやってくれた。

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サウンドシステム紹介

Audio Factory

そのデコレーションやリラックスした雰囲気、その深い歴史と共にGoa Clubについて特筆すべき点はそのサウンドシステムだ。「うちではとにかくでかい音で音楽が鳴ってるし、ベースも本当にファットだ。このサウンドから逃げられる場所はないよ」とFabio Colicchiは語っていたが、その言葉に偽りはなかった。8台もの18インチ・サブウーファーと同じく8台のトップスピーカーはフロアー全体を取り囲むように配置され、クラウドはフロアーのどこにいてもこのシステムの包み込むようなリッチでパワフルなサウンドに浸ることができる。さらにDJブースには2台のサブウーファーとトップスピーカーが配置され、フロアーの片隅やバーにまで5台のトップスピーカーが置かれている。

このサウンドシステムはGoa Clubの専属テクニシャンを務めるAudio FactoryのOreste Parmentolaがカスタムメイドで作り上げたものである。ParmentolaとGiancarlinoの関係はこのクラブのオープンよりはるか以前にまで遡り、他の多くのスタッフたちの大半と同じくParmentolaもオープン当初からこのクラブで仕事をし続けている。Parmentolaは音響テクニシャンとして25年のキャリアを有し、Audio Factoryは今やイタリア国内でも屈指の高い評価を得るオーディオ・カンパニーに成長している。いっぽう、DJとして30年のキャリアを持つGiancarlinoもまたサウンドシステムから最良のパフォーマンスを引き出す術を心得ている。「僕がなによりもまず最初にチェックするのは、サウンドシステムなんだ。サウンドの調整にはとにかく時間をたっぷりとかけている」とGiancarlinoは語る。彼にとって、良いサウンドとは「深いベース、パワーと音圧」に尽きるそうだが、その一方でParmentolaはGoa Clubのシステムのキャラクターを「暖かくクリアーで、魅惑的」と表現する。ともあれ、このシステムのパフォーマンスを十分に引き出せるかどうかはその夜にプレイするDJの技量にかかっているが、同時にDJたちは持てるものをすべて振り絞ってプレイすることを求められる。

Goa Clubのダイナミックなデザイン、その広範なミュージック・ポリシー、ラウンジ／クラブ両面での飽くなきクオリティの追求といった要素が進化を続けるのと同様に、このサウンドシステムもまたコンスタントに改良されてさらなる進化を遂げている。ピークタイムでは、そのあまりにパワフルな音圧によって板張りの床が足元で振動している様子が分かるはずだ。かと思えば、フロアーから離れればソファーにゆったりを座りながら友人との会話を楽しむこともできる。Goa Clubはかくも対照的なコントラストを驚くほど高い次元で両立してみせているのだ。

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ミックス

The sound of Goa Club

Goa Clubの熱気を伝えるレジデントDJたちのミックス

Goa Clubのダンスフロアーでは、実際にどんなセットが繰り広げられているのだろう？　その興味に対し、Giancarlino、Silvie Loto、Fabrizio Sala、ADIEL、DJ RedといったGoa Clubが誇るレジデント陣が自らのセットで答える。ハイクオリティなハウス／テクノを育み続けるGoa Clubの熱気をぜひ体感してほしい。

Goa ClubのRAプロフィールページはこちら。In Residenceシリーズの詳細は、In Residenceページからチェック。