10.

Crossroads

エトン公園/ファイフェルス公園、ブリュッセル、ベルギー
7月9日

ブリュッセルの一大プロモーターFuseは、過去23年間でビーチパーティーやストリートパーティー、そして数えきれないほどのクラブナイトを手掛けてきたが、彼ら自身のフェスティバルをホストしたことは一度もなかった。だが、2017年はそれがガラリと変わる。エトン公園とファイフェルス公園を舞台に、ワンデー・イベントCrossroadsが開催されるのだ。ベルギーの首都の郊外を走る高速道路の下というインダストリアル感のある会場は、Robert HoodやSigha、DVS1の力強いサウンドにとって完ぺきな環境のはずだ。ハウス勢としては、Mike Servito、Tama Sumo、Fred Pなどがラインナップ。初開催のフェスティバルというのは蓋を開けてみなければどうなるかわからないものだが、Fuseの場合は期待してもまず間違いないだろう。

RA Pick: 砂埃の舞う中、DVS1が本領を発揮する。

09.

Polifonic

Masseria Del Turco、モノーポリ、イタリア
7月7日 - 7月10日

周囲をアッと言わせる為にも、新しいフェスティバルは何かスペシャルなことをする必要がある。南イタリアで今年初開催されるPolifonicは、Theo Parrish、Levon Vincent、Sassy J、そしてItria Valleyといったセレクターをイトリアの谷に招聘し、地中海のリラックスした環境と粋なハウスとテクノを融合させる。また同フェスティバルはフードにも力を入れており、地元の味を体験することもできるようだ。それは、誰もが夢見る美しいイタリアでの休暇。ただしそこには、ボーナスとして最高の音楽がついてくる。

RA Pick: Tom Tragoの晴れやかなハウス/ディスコほど、イトリアの谷にマッチするものはない。

08.

Bass Coast

TBA、バンクーバー、カナダ
7月7日 - 7月10日

Bass Coastは、小規模のフェスティバルが持つ様々な魅力を具体化している。まず、バンクーバーから数時間北上した場所にあるニコラ・バレーの川沿いの環境は、とてものどかだ。戯けていながらも落ち着いたヴァイブで、非常に進歩的な精神を掲げている。Bass Coastが初めて世界的な注目を集めたのは2014年。主催者側はその年、会場内でネイティブ・アメリカンのヘッドドレスを被ることを禁止し、世界中の大型イベントが後に続いた。また、RAのAndrew Ryceによると、同フェスティバルのデイタイム・ワークショップは、「瞑想からポリアモリーまであらゆること」をカバーしているという。2017年のイベントは、ラインナップを見るだけでも既に過去最高クラスの内容だ。Justin MartinやJ.Phlipら西海岸の人気アーティストやカナダ出身のProject Pabloのほか、Call Super、Roman Flügel、Special Requestといったヨーロッパのセレクターたちが、Bass Coastのユニークなヴァイブの中でしっかりキメてくれるはずだ。

RA Pick: サブフリーケンシーに強いこだわりのあるBass CoastでのCritical Musicのショウケースは、ヤバいことになりそうだ。

07.

Lovebox

ヴィクトリアパーク、ロンドン、イギリス
7月14日 - 7月15日

ロンドンのフェスティバルLoveboxは、信頼できるポップミュージックと、賑やかなダンスヘッドライナーをラインナップすることで知られる。ポップ色の強い2017年のブッキングは、同フェスティバル15年間の歴史の中でもどれにも劣らず強力だ。初日に登場するSolange、Frank Ocean、Samphaは、流行やジャンルといった概念を超越するようなアーティストたちだ。第二夜にラインナップされたエレクトロニックミュージックのトップネームは、Chase & Statusのようなドラムンベースアクトや、ガラージの魔術師DJ EZなど、いずれもフェスティバルサイズのアンセムのスペシャリストである。ヘッドライナー以外にも注目の動きはたくさん。昨年に続き、2日間共にfabricが1つのステージをホストする。同ヴェニューがLovebox 2016でヴィクトリアパークに上陸した後、たくさんのことが起こったのは皆さんもご存知だろう。今年はレジデントのCraig RichardsとTerry Francis、そしてRicardo Villalobos、Dixon、Seth Troxler、Bicepらによる、祝福ムードに期待しよう。

RA Pick: Solangeは、現在のポップミュージックにおいて最も魅力的なアーティストの1人だ。

06.

Norbergfestival

ガムラ・バナン、ノルベリ、スウェーデン
7月27日 - 7月30日

ヨーロッパのフェスティバル・カレンダーの中で、Norbergfestivalが有名で評判のいい存在になるだなんて、当初は信じ難い話だったかもしれない。同フェスティバルは、ストックホルムから2時間半ほど離れた人口約7,000人の街、ノルベリを会場とし、思慮に富み、時には挑戦的なエレクトロニックミュージックのアクトをブックする。しかしこの孤立状態が、他のフェスティバルにはなかなかない親密さと自然さを育んできたのだ。また、元は鉱山施設だった荘厳な会場もまた、Norbergfestival独特の魅力の1つとなっている。参加することによって自分の見方をリフレッシュし、視野を広げられるような、そんなフェスティバルだ。今年はSarah DavachiやPharmakon、Beatrice Dillonといったアーティストが、正にそんな体験をもたらしてくれるに違いない。

RA Pick: 今春傑作レコード「Grafts」を発表したKara-Lis Coverdaleは要チェックだ。

05.

The Peacock Society 2017

パーク・フローラル、パリ、フランス
7月7日 - 7月9日

豊かな財源がある人間ならば誰だって、ヴェニューを見つけ、ビッグなラインナップをブックすることは可能だ。しかし、大規模なフェスティバルに魂を注入する為には、多大な苦労とクリエイティビティを要する。The Peacock Societyの主催会社であるWe Love Artは、まさに巨大なイベントスペースをワールドクラスのパーティースポットに変身させるプロである。5度目の開催となる今回のThe Peacock Societyは、再び美しいパーク・フローラルを会場とし、イビサの人気者（Jackmaster、Dixon、The Martinez Brothers、Apollonia）や、彼らと同じくらいビッグなサウンドを聴かせるよりディープなアクト（Moodymann、Konstantin、Nina Kraviz）をラインナップした。RAは土曜日のSquarehouseステージのホストとして参加。The Black Madonna、Avalon Emerson、Midland、Raheem Experienceのセットを聴きに、是非足を運んでみてほしい。

RA Pick: もしストレートなクラブビートでお腹いっぱいになってしまった場合は、Jlinによる灼熱のライブショウで踊るといいだろう。

04.

Freqs Of Nature

ユーターボーク飛行場、ニーダーゲルスドルフ、ドイツ
7月5日 - 7月11日

ドイツは風変わりな野外レイヴに事欠かない国だが、その中でもFreqs Of Natureは着実に頭角を現してきた。現在200組超のアーティスト、建設業者、そしてボランティアたちが、ニーダーゲルスドルフにある敷地内で超サイケデリックな会場を作っている。そこには、コミュニティへの参加、そしてトリッピーなサイトランスという同フェスティバルのルーツが映し出されている。水曜日から翌火曜日までぶっ通しで開催されるイベントは、まるで起伏に富んだマラソンコースのようであり、Ruby My Dearによるエクストリームなブレイクコアから、Kettenkarussellの繊細なグルーヴ、そしてRroseによる意識を拡大させるようなテクノまでと、多様なアクトが登場する。

RA Pick: サイケデリックテクノのマスターMike Parkerは必見。

03.

Freerotation

Baskerville Hall、ヘレフォード・シャー、イギリス
7月7日 - 7月10日

Freerotationの強みの大部分は、いくつかの変わらぬ要素に起因する。それはヴェニューであり（ウェールズの片田舎にある、Baskerville Hallというこじんまりとしたホテル）、レジデントであり（SurgeonからHessle Audioクルー、そしてLeif、Joe Ellisのようなローカルセレクターまで、素晴らしいアーティスト陣が登場する）、常連客でもある（ウェールズ、ブリストル、ロンドン、ベルリン、その他各地からの、様々なヘッズのるつぼとなる）。しかしFreerotationが常にフレッシュである最大の理由は、その広がり方にある。例のメンバーシップ・システムがあるにも関わらず、毎年たくさんの新しい顔をダンスフロアで見ることができる。そして毎回、同フェスティバルの中核であるディープハウス、テクノ、ベースと並び、新しいサウンドが取り入れられている。興味深いことに、今年はベルリンスタイルのミニマルハウス・アクトが数組ラインナップされており、Bruno Pronsato、そしてPerlon主宰のZipがFreerotation初登場を果たす。

RA Pick: 毎年新境地に達しているObjektが、今回はどんなプレイをしてくれるのかに注目。

02.

Rural 2017

内山牧場キャンプ場、長野県、日本
7月15日 - 7月17日

各地を転々と移動し続ける日本のフェスティバルRuralは、今年もまた新たな会場に移る。美しい山々に囲まれながら、くつろいだ雰囲気の中音楽を楽しむことができるのが魅力の同イベントは、今年は東京から約2時間ほどの場所に位置し、秋には一面に美しいコスモスが咲く、佐久高原国定高原内の内山牧場キャンプ場に陣を張る。ヘッドライナーとしてGas名義で登場するKompakt主宰のWolfgang Voigtは、この環境に完ぺきにマッチするに違いないアンビエントテクノのライブを披露する。Roly Porterによるビートレスなセットや、Nuel、Felix K、Svrecaといった面々によりヒプノティックなサウンドもまた然り。更にSolar、Lena Willikens、ASCのような変幻自在のアクトや、DJ Nobu、Chris SSG、Wata Igirashiらレギュラー陣が出演するRuralに参加すれば、日本の田舎での超スペシャルな週末を体験することができるだろう。

RA Pick: Nuelによるマスタークラスのディープテクノに期待。

01.

Melt!

フェロポリス、ライプツィヒ、ドイツ
7月13日 - 7月16日

今年で20周年を迎えるMelt!は、他を圧倒するほどのプロダクションクオリティを持ったマンモス・フェスティバルだ。デッサウ近郊にある“鉄の街”、フェロポリスが舞台となるMelt!は、ドイツの高い業界基準をもって、キラー・サウンドシステムと、壮大なステージ、そして最も重要な最高クラスのラインナップを実現する。 it brings those fabled German industrial standards to large-scale raving, with killer sound, impressive stages and, most importantly, a top lineup. メイン会場の外にある24時間ぶっ通しのSleepless Floorを含め、Melt!には全部で6つのエリアが存在し、各ステージでは歴史上最大級の掘削機の数々を背景に、M.I.A.、Die Antwoord、Kate Tempestなどのパフォーマンスに合わせて歌ったり、Marcel Dettmann、Sonja Moonear、Bjarkiといったアンダーグラウンドハウス/テクノのヒーローたちのプレイで踊ったりすることができる。ワールドクラスのパーティー体験となるMelt!は、フェスティバルレベルの規模ながらもクオリティを妥協することなく、自由奔放なドイツのレイヴを作り上げている。

RA Pick: RAが金曜日のSleepless Floorを12時間テイクオーバー。DJ Deepらが登場する。

7月に開催されるフェスティバルのリスティングはこちらからチェック。