「池」ではなく、「沼」なのである。この一文字が、とにかく圧倒的に物語っている。しかも「悪魔の」である。もはや、足をヌッと入れてみたい、けれども怖い、救いようのない魅惑の水場が広がっている。ズブズブと水草やらなにかやらがねっとりと足に絡みつく姿があなたの頭に浮かんだでしょう。もしかしたら意外と気持ちいいかもしれない、でも藻のなかで姿を隠した、ヌメヌメとした半魚人に足を惹かれてしまうかもしれない。想像してみてほしい、イマジンである。ではそのイメージをなんとなく音に変換してみよう……人間は不思議な生き物である。おそらくなんとなく、それっぽいイメージの音が、いまこの文字を読んでいるあなたの頭のなかにも流れただろう。が、しかしおそらく、悪魔の沼が奏でる音は、その、いまあなたの頭の中に流れた音よりもたぶんズブズブという言葉が似合うだろう。ヌメヌメも似合う。

電子音楽、ハウス、テクノ、ニューエイジ、ブレイクビーツ、インダストリアル、アシッド、エレクトロ、ディスコ？　あ、ワールド・ミュージックもあるのかな…… ともかくである。こうした音楽が、幾分ダンスフロアにはスローなBPMを携えてゆっくりと進んでいく。全くもって不可分のドロっとサイケデリックな世界を拡張しながら。

悪魔の沼はそれぞれDJとしても活躍するCompuma、Dr.Nishimura、Awanoという3人。これまで彼らが現場以外で残している音は、Black Smoker Recordsよりリリースされた『涅槃-Nirva魔-』と『薬』含めた4枚のミックスCDと、いくつかのネットに上がっているミックス。下北沢MOREを拠点に、2017年はShackleton、DJ Sotofettの来日公演、さらには野外パーティ、ruralでも、DJユニットの極北を行く、その極限までエクレクティックでサイケデリックなDJを披露している。もちろん、伝説のレコード・バイヤーなどなど、彼らをなんとはなしに説明する言葉もあるが、そのあたりの解明はgoogleへ。ここで言うべきは、悪魔の沼で、彼らはある意味で何者でもない沼人となる。彼らは溶け合い、そのサウンドをつなぎ、ひたすら音を奏で続ける。言ってみればそれは悪魔の沼のご当地ソングである。その魅惑の岸辺に足を踏み入れたいものはどうしても近づいてしまう。なぜそんな音を彼らは一心不乱に鳴らすのか？　そこに沼があるからだ。人間の業は思ったよりも深いのである。

もともとは、DJユニットではなく、現下北沢MOREの店長の宮さんがやっていた、同じく下北沢のROOM ''Heaven & Earth'' で3人が中心でやられていたレジデントのイベント名から来ているんですよね。

松永（Compuma）：そうなんです。そして、宮さんが去年2017年に、10年目なりますねって言ってくれてたんですが、その後いろいろネットで痕跡を調べたら、どうやら開始が2008年っぽいんですよね。

Awano：まる10年か、。

西村：全く覚えてないな（笑）。

Awano：1回目は松永さんのホラー映画のサントラばっかりでDJした“ホラー・セット”がたしかはじめですよね。それがすごかったのをすごく覚えている。初期は30分ずつDJが交代していくスタイルでやってて。

松永：そう、ホラー映画のサントラとか7インチのセットだけでやってみたんですよ。パーティ・タイトルが「悪魔の沼」って聞いたから。

Awano：ダハハ（笑）。「このイベント名でやりますけど、別にサントラかける必要はないです」と伝えたんですが…… そしたら、いきなり松永さんがホラー・セットで来て……さすがだなと……。あと、イベントを始めた当初、1回目と2回目まではこの3人以外に、二見裕志さん、そのあとで石黒（景太 / 1drink）さんもメンバーとして加わったりしていて。でも、わりと初期の段階で、続けていくうちにこの3人になって。

松永：一晩で30分3, 4セットとかやってましたよね。そして、何気にそれを準備するのが大変で。しかも「悪魔の沼」なんて名前で妄想を広げて……普段の選曲とは違うことをやってみよう、というのはあったと思うんですよね。

Awano：覚えているのはとにかく「お客さんがひいても、よそじゃなかなかできないことをやっていいですよ」というのを言った気がします。当時は今の沼でかかっているものよりももっと幅広いジャンルがかかってたんじゃないかな。ラテンとかもかけてたし。あと、30分でまわしていったのって、なんとなく1人が構築する世界観みたいなのを壊したかったっていうのはあるかもしれないです。それって、今の3人のスタイルにつながってたりするのかなと。予定調和を極力なくすというか。まあ完全に後付けの話ですけど（笑）。

西村：俺も誘われたときは、ROOM ''Heaven & Earth''でイベントやるからというのでAwanoに誘われて。

Awano：でも西村さんを誘おうとって言ったのは松永さんなんですよ。あの時期、松永さんとDJで同じ現場になることが多くて。そのあと飲む機会があったときに話して、「じゃあ、なんかやってみましょう」ということになったんですよね…… あ、思い出した、松永さんと一緒にやる機会があったときにDJの後に松永さんに「Awanoくん、合うね！」って言われて（笑）。それで誘ってみようかなって思ったんですよ。

一同：笑

松永：まったく覚えてない（笑）。でも、たしかパーティをやろうっていったのもAwanoくんで、「沼」って言ったのもAwanoくんですよね。たしか、「沼」って聞いて、自分がすぐに、ふわっと思いついたのが、あの映画の邦題タイトルとヴィジュアルだったんですよ。それで、冗談まじりでパーティ名を「悪魔の沼」にしようって言ったんだ。

Awano：そうですね。でも、なんで「沼」だったんだっけな……。

松永：DJプレイとして「沼」っぽいことがしたいというAwano君の絶対的な思いがあったのかな？（笑）。それとも全然違うところの沼だったんですか？

Awano：音楽的なイメージで「沼」っぽいというのはあったはずですよね……。

松永：はじめは二見さんとAwanoくんと、自分の3人で、もうひとりぐらい、他にDJがいた方がいいっていう話だった気がします。

Awano：そこで、松永さんが西村さんはどうかって聞いてきて。

松永：誰を誘おうかってAwanoくんに聞かれたときに、たしか、当時あまり現場で一緒になったことがない人、というところで考えた気がします。西村さんのことは、もちろんCISCOにもレコード買いに行ってたし、Discossessionでの活躍も知っていましたけど。

西村：そうですね。双方ともにそんな感じだと思います。A.D.S.（Asteroid Desert Songs / 1990年代中頃、Compumaが在籍していたユニット、その後のスマーフ男組の前身）の昔のライヴとかも見てたし。

松永：なんであのとき西村さんに声かけしたのかもはや覚えてないけど（笑）。でも興味がすごくあったんですよね。Moodmanが起点にある人脈というか、西村さんとCheeさんは、あの当時、近そうで直接の接点がなくて。そういう話をAwanoくんがしたんだと思う。

Awano：どちらかと言えば僕は西村さんとかの流れにいましたからね。

松永：そんな流れもあってお誘いしたいっていう。意外性も含めても。

Awano：自分もそのとき、多分、西村さんが加わったらおもしろいなっていう感覚はすでにありましたね。当時っていまみたいにDJで、いわゆる電子音楽とかをかける機会ってなかったじゃないですか？でもそういうのもせっかく持ってるし、西村さんも通ってるし、全然こういうのありだなと思って。

西村：もともとは大学が一緒で、サークルも同じだったんですよ。お互い違うイベントをやってたり、一緒に出たりみたいなところが当時からあったから、お互いの手の内みたいなのはAwanoもわかっていたというところもあると思う。ハウスがベースにあってというのも含めて。

Awano：10代の頃から知ってますからね。

西村：当時の状況をいうと、CheeさんとのDiscosessionで、Baldelliのコズミックにはまってから、しばらく経ってからの時期。

松永：そうだ！それもあったんだと思います。コズミック後ですもんね、西村さん。コズミックも回転数を変えて遅くかけるというのがあって。

Awano：そう、単純に「沼」なんで、遅い方向でやるというのはあったんですよね。思い出した、自分もそういう遅い音楽とかも好きで……。で、普通のハウスやテクノの現場で、遅いのがかけたくなってかけたりするわけですよ。でも、もちろんそういう現場だとまったく受けなくて。かけ方が下手というのもありますけど、おまえ空気読めよみたいな状況になることがよくあって……。

西村：いやーDiscossessionも遅いのをやるときは苦労してましたよ（笑）。

Awano：それで「こういう遅いのをやる機会ってないよな、自分でやった方が早いよな」というところがありましたね。

西村：誘われたときに、自分でもコズミックにはまってやってみたけど、まだやりきれてないと思うところもあったから、これは"コズミック"以降の展開を探ってみる絶好の機会だなと思ったのは覚えている。

Awano：でも、いまいちコズミックってあまり浸透しなかった気がするんですよね、自分の感覚的には。DJの間では流行ったかもしれないけど、お客さんがついてこれなかったというか……。

松永：そういえば遅いといえば、自分もまだまだスクリューを頻繁にやってましたね。スクリュー熱が持続してた時期でもあったから。

西村：全員スクリュー・セットの回っていうのもありましたね。ちなみにこの夜、MOREスクリューナイト（2010年10月23日）は、フリーゆで卵でした（笑）。

Awano：岡山Deleteというクラブで、いちど悪魔の沼でいったことがあって。そこでの松永さんのスクリュー・セットが半端なかったのをいまでも覚えてます。箱の出音がスクリューとばっちりハマってた。そう、どんどん遅くなっていったんですよ、あの日。

松永：あれは盛り上がりましたよね、遅くなればなるほど盛り上がってた。またその時の会場のDeleteが仮面ライダーの地獄大使が出てきそうなショッカーのアジトみたいな内装のところで（笑）。なんか本当に映画のセットの沼みたいな、深緑の張りぼての岩みたいな装飾があって、そこにツララみたいなものが垂れてて。

西村：いま思うと『悪魔の沼』の映画の、あの色合いとそっくりというか…… 。

10年前にはじまって、その後、3人が完全にレジデントの固定になって、その後、ROOM ''Heaven & Earth''の閉店後は、MOREが今度はホームになるという感じだと思うんですけど、いつからDJポッセというかユニットとして、パーティとしての「悪魔の沼」の外に呼ばれるようになったんですか？

松永：まずは自分達でミックスCD『沼日和 -IMAGINARY 魔NDSCAPE-』をリリースしてからですね。

それにしても「沼日和」って（笑）。

西村：しかも、それぞれのミックス・パートの名前が「沼トロ沼開（ぬまんとろ　ぬまびらき）」（Compuma）、「沼ん中（ぬまんなか）」（Awano）、「沼日和（ぬまびより）」（Dr.Nishimura）って（笑）。

松永：西村さんの「沼日和」に辿り着くまでのバトン？　ストーリーというか。あのミックスを出したら、東京以外の地域でも興味を持ってくれる方が現れてくれたというのがはじまりなのかな。それが2011年頃。それで大阪、岡山、香川と呼んでいただいて西日本ツアーをやったんですよ。東京では基本的にMOREだけでやっていて。はじめて東京でMORE以外で悪魔の沼でやったのは、確かDOMMUNEで、その後、Bonoboの成さんが誘ってくれた「悪魔の沼煮会」（2015年3月6日）かな。たしかBlack Smokerからの『涅槃 -Nirva魔-』（2014年3月）を出した後だったかな…… いや、そうか、その時のリリース・パーティをGrassrootsでやってますね（2014年3月15日）、笑　まあ、そうこうしておりましたら、少しずついろいろなところから呼んでいただけるようになりました。

それにしても名前が…。

Awano：Black Smokerから『涅槃 -Nirva魔-』を出してもらったのは、たしか、さらに外に広げたいというところもあったりしたんですよね。

松永：そうですね……一時期、集客もかなり落ちていた時期があって、あまりにも人がこないから、開催時期が寒い季節だったという事もあったけど、サブタイトルも「冬時代の到来」（2012年12月１日開催）なんて、つけてた時期もあって。

Awano：地方の話で思い出しましたけど、初期のROOMでやったときって、毎回ライブストリーミングしてて。そしたら、なんか関西の方で話題になっているらしい、関西の方が受け入れられている感じがするという話を知り合いから言われて。それが本当に西日本のツアーにつながっていったところもあるのかもしれないです。

ちなみにはじめは30分づつで回すというパーティのスタイルで、さらにはじめのミックスCDRは3人のパートがわかれています。で、いまはというとDJブースに３人いて、なにやら音を出していると。端的にいって、どういう役回りなのかっていうのは気になるところで。

Awano：あれ、『ドキュ魔ント-live mix document-』（2013年）をリリースしたときって、もうバック2バックでしたっけ？

西村：そう、あのCDのときにはバック2バック的な感じ。

松永：たしか完全なる１曲交代ではなくて10分とか15分、数曲かけて代わるとか臨機応変にやってたと思う。

西村：いつからバック2バックになったんでしたっけ？

松永：あれは宮さん。宮さんは、ある意味で悪魔の沼のスピリチュアル・リーダーですよ（笑）。バック2バックは宮さんからのアドバイスですね。

Awano：「それぞれの沼はわかった」って言われて（笑）。

西村：でもいま考えると的確なディレクションでしたね（笑）。

松永：毎回の沼を経て、宮さんはいつも悪魔の沼に対してネクストな意見をくれていたんです。

Awano：例えば、「1968」っていう、大先輩のHigoさんとEraさんのパーティがあるんですが、「1968」と一緒にやってみようって宮さんに言われて。それで一緒にやってみたら、本当にすごくて。いろんな意味でネクストだった（笑）。松永さんが明け方すごいゾーンに入ったプレイをしたり（2012年3月9日開催）。

松永：あの日はホントすごかったですよね！！！

Awano：宮さん特製の「幻」って名前の緑色のスペシャル・カクテルを売ってたんですよ。500円で。明け方、そのすごい雰囲気のなかでFuck Master Fuckが「へぇ、幻って500円で買えるんだ」ってポツリと言ってて。

一同笑

西村：あの日のHigoさんのプレイも本当にいまだに解読ができてないぐらいやばくてね。

聞いてるだけで、すごそう……話を戻すといまのスタイルっていうのは？

松永：2013年の『ドキュ魔ント』の頃が、沼的バック2バック初期衝動の時期というか、そこにいまの雛形があって、そこから歳月を経ながらBlack Smokerからの2作目『薬』に繋がっているというか。

なにか決めてやるんですか？

Awano：全くのノープラン。だから合わないときもある（笑）。ちなみに今回の『薬』は、朝方5時くらいのライブミックス。ちょっと大人っぽい、聴きやすい感じになってるように個人的には思います。

松永：でも、こんだけずっと一緒にやっているとバンドの演奏じゃないんだけど、どっか演奏している感じにも近いんですよね。それぞれで出している音が調和して沼的一体感のゾーンに入ってる感覚になることも多々あって。

西村：そういう瞬間あるよね。

Awano：特にDJやっている人らからはライヴっぽいって結構いわれることが多いかもしれない。

西村：でも、冷静になると誰がどの音だしてるかわからなくなるときはある（笑）。

リズムがある程度キープされたり、されなかったりするときに、さらにそのほかのノンビートの素材の音を入れたり入れなかったりしていると。やぼな質問ですね。すいません。

松永：とにかく、それぞれなんかやったり、やってなかったりするんです（笑）。自分的には、ひとりでDJやるときはある程度世界観を自分で作り上げていく、そのなかでしくじったり、うまくいったりというのが自分である程度コントロールできるんだけど、悪魔の沼でやるときは逆にコントロールできないものという諦めから入っていて。だから、うまくいったときは余計うれしい。あとは、ひとりでやるときは、ずっと次にかける曲を探したり、ミックスしたり、ミキサーをいじったりずっとなにかをしているじゃないですか、でも3人でやると単純に手が空きますよね。その分、いろいろ自由な音のアイデア？余計な細かいことまでできるんですよ。それがうまくハマるときもあって、過剰な沼演出というか、それはおもしろいですよね。

Awano：ひとりでやるのとは違うおもしろさがありますね。

松永：もちろん、全然うまくあわないときもあって、そういうところもバンドっぽいていう。

Awano：でも、あっという間に終わるんですよね。

ある程度、様式美が決まっているハウスとかのバック2バックではなく、あのフリーフォームな音でやるってすごいですよね。

Awano：キラー・パスみたいなのありますね（笑）。

自分の取材メモで「狐と狸の化かし合い」って書いてあるんですけど、的に他のひとたちにしかけるみたいなのはないんですか？

松永：ちらりちらりと、ひそかにニンマリと仕掛ける時もあるようなないような……（笑）。ただ、あとあとで「ああ、あの曲で渡しちゃったけど平気だったかな？」ということもあるかも。

西村：もちろん「これで渡すと悪いかな」って逡巡することもあるんだけど、結局はだいたいそういうときはいっちゃうんだけど（笑）。

松永：3人でいうと、ここ最近、実は西村さんが一番キラーパスが多いと思う（笑）。

Awano：でも、それは、西村さんの悪魔の沼のなかでの変化で、昔は違った気がしますね。

松永：たしかにそうかも。

西村：前はきっちり下を安定させて入れていく、みたいな役割を担う感じだったけど、「このままのグルーヴで熱気はキープできるけど、ここでちょっと変化球いれたいな」っていう気持ちに最近はますますなりやすくなってて、それをやってしまう（笑）。

例えばShackletonの来日公演とか、ruralでのDJとか外でやるときも「●●っぽい感じでいきましょう」みたいなのはないんですね。

松永：ないですね。

Awano：Shackletonの来日のときとかは、goatの前の1セット目が、ビートがなかなか鳴らなくて「まだこれでいくんすか」とか思ってたら結局最後までビートが入らなくて（笑）。

松永：こういうときがあってもいいかなっていうね（笑）。でも唯一あるとすると、なんとなくのBPMの速さぐらいかな、速くするか遅くするかぐらい。Awano君と西村さんの2人は、最近わりとデータやCDJでプレイということもあって…… 自分の場合はアナログ中心でターンテーブル・メインなんで、ものすごい遅くなったり速くなったりすると対応できなくて。

フリーのなかにも礼儀ありというか。でも本当に謎が多い。音を聴いても……話を聞いても……。

西村：いやでもやっと認知されてきたというか。

Awano：でもいまだに「なんなの？」っていう人の方が多いですよ。

そりゃそうですよ（笑）。

西村：それでも前にくらべると、認知されてきていると思う。。

松永：でも、自分はね、どこか危機感も感じていて、少し前にMOREでやったとき結構お客さん来ていただいたんですよ。でも、それはYaziさん、Lil Mofoさん、Forestlimit店主のナパーム（片岡）さんとかに出ていただいたところも大きいと思うし。1年ぶりだったというのもあったと思うんだけど、予想以上にたくさんの方に来ていただいて。

なんでそれが危機感なんですか？（笑）

松永：いや、もうこれがピークでまた冬の時代がくるんじゃないかと。

ダハハ（笑）。

ここ何年かは、いわゆるかっちりしたテクノとかだけではなくて、わりともうちょっとアヴァンギャルドな電子音楽とかがフロアでもミックスされている感じはありますよね。リリースされる曲にしても。だから時代が沼に追いついたというのはあながち言い過ぎじゃないというか。

松永：少し前からなのかもしれないけど、そういう流れがさらにより成熟してますよね。

西村：わりとテクノも多様化していて、そこでうちらのやってることとリンクしている部分はかなり増えて来ていると思う。そういうシーンとかとのお互いのフィードバックというのは、意識してないけどあるかもしれないですね。BPM100とかでやる人たちも増えてますしね。

Awano：本当にそう。凄く面白い時代になってると思いますね。こんな時代が来るとは想像もしてなかったです。

悪魔の沼『薬』のリリース・パーティが、2018年6月15日に東京WWWβで開催されます。