Rephlexはどのようなきっかけで立ち上げられたのでしょう？　Grant Wilson-Claridgeと知り合ったきっかけ、そして彼との繋がりについて教えてください。



Grantと最初に会ったのは、コーンウォールにあるBowgieというクラブだった。

俺たちがDJを始める以前、BowgieでよくPaul Guntrip（故人）のDJを聴きに行っていて、彼がプレイする美しくベーシーなトラックを聴いてめちゃくちゃ影響を受けた。素晴らしい選曲、爆音で鳴るTurbosound、コーンウォールの崖沿いにある最高のロケーション、最高のオリジナル・レイヴァーたちと最高のスピリットによるコンビネーションだった。







Grantと共にセルフレーベルを立ち上げたことは、あなた自身とその音楽にとってどのような意味があったのでしょう？　あなたが90年代以降作品をリリースしてきたWarpやR&Sと比較した場合、自身の音楽をリリースする場としてRephlexをどのように見ていたのでしょうか？



（自分でレーベルを持つことは）単純に当たり前の流れだったんじゃないかな。Grantの手元には亡くなった両親が遺したちょっとした金があったんだが、驚くことに奴はその一部を使ってレーベルを立ち上げようと考えていたのさ。俺を含め、周囲の人間はまったくの文無しだったから、天から降って湧いたというか、願ってもない話だった。Grantはすごくファニーな男で、いつも一緒にいて楽しかった。俺に音楽を作ってみろと勧めた最初の人間のなかのひとりだったしな。

奴は音楽に情熱を持っていたし、俺の音楽もかなり気に入ってくれていたと思う。何年ものあいだ、俺が作った曲を聴いてくれるのは周囲のごく限られた人間しかいなかったが、Grantの熱心なリアクションはすごく刺激になった。







Rephlexの初期には「Q-Chastic」などホワイトレーベルでごく少数しかプレスされない作品もありました。おそらくもっとたくさんプレスすることも可能だったはずで、そうすればレーベルに入ってくる収入も増えていたはずです。あなたとGrantがあえてそうしなかった理由は？



俺は金銭面でRephlexに口出ししたことは一度もないんだ。

あんたを含めて多くの連中はRephlexがコンスタントに成長したと思い込んでるようだが、それには少し納得しかねるところもある。「Analord」のバインダー型レザースリーブみたいにやたらと予算をかけすぎたリリースでは赤字を出してきたし、俺たちはその埋め合わせをしなきゃならなかった。今でも金をドブに捨ててるよ。















Afx & The Jones Machine - photo courtesy of Aphex Twin.jpg













RephlexからAFXならびにCaustic Window名義でリリースされた作品は、WarpやR&Sなどからの作品に比べて外部のA&Rに左右されない、よりパーソナルな性格が強かったのでしょうか？ 



WarpのRob Mitchellが亡くなって以降、「これはリリースすべきだ / すべきでない」なんて意見を言ってくれる人間はいなくなってしまった。Robはものすごくファニーな人だった。俺が彼に『Selected Ambient Works Volume II』の音源を送った時、その収録曲をまだ1曲も聴いていないのにいきなり電話をかけてきて「なんだよこれ、ほんの少しのシンセに死ぬほどリバーブをかけているだけじゃないか」などと言うんだ（笑）。ああいう気の利いた意見は好きだ。まあ、Rephlexに関しては俺がA&Rみたいなもんだから、他のレーベルの作品と違うのは当然だろ。







あなたがRephlexからリリースした作品の収録曲を選ぶ作業にはGrantも関わっていたのでしょうか？



ああ。だが、Grantは俺の未発表曲をすべてではないが相当な量を持っているし、俺自身に語りかけるのと変わらないくらい奴との作業は親密だった。

奴は素晴らしいA&Rの才能を持っていたよ。







Mike DredやあなたのUniversal Indicatorシリーズによって、Rephlexはアシッドハウス / アシッドテクノに新しいエナジーを持ち込んだと考えていますか？



Universal Indicatorとしてリリースした曲は、俺がそれこそありとあらゆるアシッドハウスのレコードを聴いていた頃から作りためていたものなんだ。今でも1987年〜1989年の間にリリースされたアシッドハウスに夢中になっている。

Mikeは良い奴で、一緒にパーティーをしていても楽しいし、ただつるんでいるだけでも楽しい。

俺が最初に303っぽい曲を作った時、それに合わせて4つの映像を作った。レッドルース（コーンウォール地方にある街）や友人のスタジオ、俺のベッドルームスタジオ、家、それにカーン・マース（コーンウォール地方の丘）などでも撮影したな。このVHSテープはまだどこかにあるはずで、テープが劣化する前にアップロードしておきたい。

当時の曲はUniversal Indicatorよりもやや荒削りだが、同じエナジーを共有している。Bowigeで撮った超初期の映像もあるはずだから、これも絶対にYouTubeにアップしておきたい。





    
 ██▀███  ▓█████  ██▓███   ██░ ██  ██▓    ▓█████ ▒██   ██▒

▓██ ▒ ██▒▓█   ▀ ▓██░  ██▒▓██░ ██▒▓██▒    ▓█   ▀ ▒▒ █ █ ▒░

▓██ ░▄█ ▒▒███   ▓██░ ██▓▒▒██▀▀██░▒██░    ▒███   ░░  █   ░

▒██▀▀█▄  ▒▓█  ▄ ▒██▄█▓▒ ▒░▓█ ░██ ▒██░    ▒▓█  ▄  ░ █ █ ▒ 

░██▓ ▒██▒░▒████▒▒██▒ ░  ░░▓█▒░██▓░██████▒░▒████▒▒██▒ ▒██▒

░ ▒▓ ░▒▓░░░ ▒░ ░▒▓▒░ ░  ░ ▒ ░░▒░▒░ ▒░▓  ░░░ ▒░ ░▒▒ ░ ░▓ ░

  ░▒ ░ ▒░ ░ ░  ░░▒ ░      ▒ ░▒░ ░░ ░ ▒  ░ ░ ░  ░░░   ░▒ ░

  ░░   ░    ░   ░░        ░  ░░ ░  ░ ░      ░    ░    ░  

   ░        ░  ░          ░  ░  ░    ░  ░   ░  ░ ░    ░  

   

  
    _______ _______ _______ ___ ___ ___     _______  ___ ___  

 |   _   |   _   |   _   |   Y   |   |   |   _   |(   Y   ) 

 |.  l   |.  1___|.  1   |.  1   |.  |   |.  1___| \  1  /  

 |.  _   |.  __)_|.  ____|.  _   |.  |___|.  __)_  /  _  \  

 |:  |   |:  1   |:  |   |:  |   |:  1   |:  1   |/:  |   \ 

 |::.|:. |::.. . |::.|   |::.|:. |::.. . |::.. . (::. |:.  )

 `--- ---`-------`---'   `--- ---`-------`-------'`--- ---'

  

  
 (         (        )  (             )  

 )\ )      )\ )  ( /(  )\ )       ( /(  

(()/( (   (()/(  )\())(()/(  (    )\()) 

 /(_)))\   /(_))((_)\  /(_)) )\  ((_)\  

(_)) ((_) (_))   _((_)(_))  ((_) __((_) 

| _ \| __|| _ \ | || || |   | __|\ \/ / 

|   /| _| |  _/ | __ || |__ | _|  >  <  

|_|_\|___||_|   |_||_||____||___|/_/\_  


 ____    ____    ____    __  __  __       ____    __   __     

/\  _`\ /\  _`\ /\  _`\ /\ \/\ \/\ \     /\  _`\ /\ \ /\ \    

\ \ \L\ \ \ \L\_\ \ \L\ \ \ \_\ \ \ \    \ \ \L\_\ `\`\/'/'   

 \ \ ,  /\ \  _\L\ \ ,__/\ \  _  \ \ \  __\ \  _\L`\/ > <     

  \ \ \\ \\ \ \L\ \ \ \/  \ \ \ \ \ \ \L\ \\ \ \L\ \ \/'/\`\  

   \ \_\ \_\ \____/\ \_\   \ \_\ \_\ \____/ \ \____/ /\_\\ \_

    \/_/\/ /\/___/  \/_/    \/_/\/_/\/___/   \/___/  \/_/ \/_/



  

  
    ____  __________  __  ____    _______  __

   / __ \/ ____/ __ \/ / / / /   / ____/ |/ /

  / /_/ / __/ / /_/ / /_/ / /   / __/  |   / 

 / _, _/ /___/ ____/ __  / /___/ /___ /   |  

/_/ |_/_____/_/   /_/ /_/_____/_____//_/|_|

 

 

                                                  

@@@@@@@   @@@@@@@@  @@@@@@@   @@@  @@@  @@@       @@@@@@@@  @@@  @@@  

@@@@@@@@  @@@@@@@@  @@@@@@@@  @@@  @@@  @@@       @@@@@@@@  @@@  @@@  

@@!  @@@  @@!       @@!  @@@  @@!  @@@  @@!       @@!       @@!  !@@  

!@!  @!@  !@!       !@!  @!@  !@!  @!@  !@!       !@!       !@!  @!!  

@!@!!@!   @!!!:!    @!@@!@!   @!@!@!@!  @!!       @!!!:!     !@@!@!   

!!@!@!    !!!!!:    !!@!!!    !!!@!!!!  !!!       !!!!!:      @!!!    

!!: :!!   !!:       !!:       !!:  !!!  !!:       !!:        !: :!!   

:!:  !:!  :!:       :!:       :!:  !:!   :!:      :!:       :!:  !:!  

::   :::   :: ::::   ::       ::   :::   :: ::::   :: ::::   ::  :::  

 :   : :  : :: ::    :         :   : :  : :: : :  : :: ::    :   ::






 _  .-')     ('-.     _ (`-.  ('-. .-.             ('-.  ) (`-.      

( \( -O )  _(  OO)   ( (OO  )( OO )  /           _(  OO)  ( OO ).    

 ,------. (,------. _.`     \,--. ,--. ,--.     (,------.(_/.  \_)-. 

 |   /`. ' |  .---'(__...--''|  | |  | |  |.-')  |  .---' \  `.'  /  

 |  /  | | |  |     |  /  | ||   .|  | |  | OO ) |  |      \     /\  

 |  |_.' |(|  '--.  |  |_.' ||       | |  |`-' |(|  '--.    \   \ |  

 |  .  '.' |  .--'  |  .___.'|  .-.  |(|  '---.' |  .--'   .'    \_) 

 |  |\  \  |  `---. |  |     |  | |  | |      |  |  `---. /  .'.  \  

 `--' '--' `------' `--'     `--' `--' `------'  `------''--'   '--'



  







当時のRephlexのイベントはどのような雰囲気だったのでしょう？　レーベルと中心アーティストの周りにはコミュニティのようなものが形成されていたのでしょうか？



イベントは死ぬほどやったから、どれかひとつ例を挙げろというのは無理な話だ。だが、全体としては当時の他のシリアスぶったクラブに比べてかなりレイドバックしていたし、フレンドリーだったのは確かだろうな。

別にコミュニティを作ろうというつもりはさらさらなかったんだが、たまたまそうなったという感じだ。まあ、デモが集まればいいなと思っていたし、そのおかげで面白い奴らが集まってきた。デモの善し悪しにおける俺たちの判断基準も、他のレーベルのそれとはかなり違っていた。

当時、ベッドルームプロデューサーたちが他のレーベルから舐められてたのは明らかだったが、俺自身はベッドルームプロデューサーだったから、俺と似たような連中を探したいとマジで思ってた。

Rephlexを立ち上げる前からコーンウォールにはレイヴシーンがあったんだが、これもレーベルの誕生に影響している。俺はずっと昔からの親友のMaffewと一緒に何度かレイヴを企画して、かなり勉強になった。レイヴはFizzbomb、そしてPhase2という名前でやっていたが、最悪かつクレイジーだったな。





























DMX KrewのEd UptonはRephlexがノースロンドンのアーノス・グローブを拠点にしていた時期を思い出深く語っていましたが、当時のあなたはあのエリアに住んでいたのですか？



当時はストーク・ニューイングトン（同じくノースロンドン）のクリッソルド・クレセント通りに別の連れがいて、アーノス・グローブにはたまに行ったことがある程度だったが、いつも楽しかった。







The Sandshifterであなたが開催していたパーティーはどのような雰囲気だったのでしょう？　都市でのイベントとの違いは？　また、今でもあなたがコーンウォールで告知なしのライブを行なっている理由は？



The Sandshifterは最高のパーティーだった。俺はコーンウォール流のレイヴが好きだ。今でも足を運んでいるし、常にユニークだ。







ロンドンのSoundshaftで開催していたRepHreshについても話を聞かせてもらえませんか？　Kylie MinogueがあなたのDJ中に照明を担当していたというのは本当の話でしょうか？



RepHreshでもいくつか最高の夜があった。ある時は、俺たちはエントランスを10ポンドに設定していたこともある。

Kylieは一度来たことがあるし、Madonnaも来たことがある。傑作だったのは、俺のどうしようもない悪友がKylieをナンパしようとしていたことだな… 死ぬほど笑えたし、超シュールだった。







RepHreshではどのようなものをプレイしていたのでしょう？　新曲を試していたのか、それとも単純に好きな曲をかけてみんなで楽しむといった感じだったのでしょうか？



その両方だな。出来上がったばかりの曲をテストすることもあった。今もそうやって新曲を試してみることはある。いろんなオーディエンスに聴かせてみなけりゃわからないこともあるからな。







これまでRephlexからリリースして来た中で、あなたにとって特別な意味を持つ作品はありますか？　その理由も教えてください。



まあ、全部だろうな。すべてが自家製というか、自分が本当に好きな曲をリリースするのはすごく特別だし、エキサイティングに思えた。それは今も変わらない。かといって、それらはスタジオで隅々まで完璧にしてリリースしなければならないわけじゃない。

とにかく、たった1枚や2枚だけを選ぶのは無理だ。



















“Braindance” というタームはいったい誰がどのように思いついたのでしょう？



それはGrantのアイディアさ。他のターム、たとえばヒップホップって言葉はよく考えてみると意味が分からないし、分かったとしても笑えるような言葉だろ。じゃあ、俺たちもそういう笑えるような言葉を作ってみようってことになった。

笑えるエピソードなんだけど、Grantと一緒に映画を観に行き、暗転して映画が始まる直前になると、奴はいつも「Rephlex！」と叫んでいたんだ。本当におかしな奴だ。







Squarepusherを見出した時はどのような印象を持ちましたか？　あのままRephlexに引き留めておきたいと考えていましたか？　それとも、その後Warpに移った方が彼にとってはよかったと思いますか？



まあ、奴がWarpへ移ったのは正解だっただろうな。俺たちはよくSquarepusherの最初のデモを聴きながらコーンウォールをドライブしたものさ。当時としては非常にオリジナルな音楽だったし、若いくせにやたらと完成度が高かった。最初に奴のデモをチェックした時は、まるで100万ボルトの高圧電流に感電したような感覚だった。







その後にデビューしたBogdan RaczynskiなどのRephlexアーティストたちについては？　彼らの作っていた音楽に刺激を受けることはありましたか？



『Drukqs』に収録された曲のいくつかは、Bogdanから大きく影響されていた。実は、奴はおもちゃみたいなPCトラッカー（簡素な音楽制作用シーケンサーソフトウェア。Amiga用のSoundtrackerがその起源）で曲を作っていたんだが、これが実に素晴らしかった。多くの人々がコンピュータだけで完結して曲作りをするようになるずっと以前の話さ。当時のPCはシーケンスにしか使われていなかった。今ではその重要性はすっかり忘れ去られてしまっているが、奴の作品はものすごく過小評価されている。







RephlexからはBogdan Raczynskiの作品が短期間で多数リリースされていました。この急速なリリースペースにリスナーたちがついていけなかったのではないでしょうか？



そう思うね。今でもそうだが、俺は一般の人たちが音楽に対してそれほど熱心ではないってことをたまに忘れてしまう。俺の周囲にいる本当の友人は、音楽に魂を抜かれた奴らばっかりだ。俺はあらゆることに興味があるし、たまには俺が知らないことを知っている人たちから学ぶのを楽しんでいるけどね。



Lukeをはじめ、一部の友人はBogdanの音楽をDIY的すぎると言って最初は気に入ってなかった。まあ、結局Lukeもあとで夢中になったけどね。

作曲段階で十分に仕上がっていない音楽が、良質なマスタリングを施された途端に輝きを得ることは実際にあるが、Bogdanの作品もまさにこのケースにあてはまる。中途半端な知識を身につけるくらいなら、何も知らない方がましってこともあるのさ。















Bogdan Raczynski's My Love I Love.jpg







Aleksi PeräläがRephlexと契約する際に決め手となった要素は？



Alekxiは、俺がこれまでに会ったフィンランド人の中で最もフレンドリーでジェントルな奴だ。音楽以前に決め手となったのはそこだろうな。彼が最近リリースしている作品も大好きだ。







レーベル初期、あなたとGrantは当時拡大を見せていたUKのブレイクビーツ・カルチャーにはあまり興味はないと発言していましたが、その後はLuke VibertのAmen AndrewsやSoundmurderer & SK-1、DJ Scudなどよりジャングルの影響下にある作品をリリースしています。あなた方のブレイクビーツに対する印象が変わったということでしょうか？



そいつは良い質問だ。Grantは最初あまりブレイクビーツが好きじゃなかった。まあ、当時は即ゴミ箱行きのクソみたいなブレイクビーツも多かったから、最初は気に入らなかったとしても仕方はないんだが。もっとも、俺が最初に作ってリリースした自分の曲には、全体にブレイクビーツが使われていた。俺が最初に衝撃を受けたブレイクビーツのレコードは、Radioactive Lambってレーベルがリリースした2 Kilos?というアーティストの最初の2枚のEP「Mohameds Mind」と「Visions Of Paradise」、DHS「Number #9 Bad Acid」が収録されていたEP全体、

それにTrigger「Stratosphere」、Quadraphonia「Quadraphponia」あたりだけど… 当然Jimmy Crash「Crash Cource」やShades Of Rhythm「Homicide / Exorcist」なども入れなきゃな。まだまだたくさんあるし、この辺りミックスにでもまとめなきゃな。そうそう、Carl CraigがBFC名義で手がけた「Evolution」もこのリストに入れておかなきゃ。







RephlexにおけるFuture Soundsコンピレーション、Black Devil、Dynamix II、808 Stateなどのライセンス / リイシューに、あなたはどの程度関わっていたのでしょう？



俺もGrantもFuture soundsの大ファンで、実際にTerry Baldwinとも会った。会ったのは随分昔の話だけど、彼はファニーだけどすごくダークな男だったな。

Black Devilについては、カーブート・セール（フリーマーケットの一種）の達人でもある友人のPP Royが見つけてきた。

Dynamix IIのリイシューについては、これも俺たちが大ファンだったから。

彼らの最初のレコードは今も最高だよな。808 Stateも当然大好きだ。『Newbuild』は俺にとってオールタイム・フェイバリットのひとつでもあるし、あれを好きじゃなかった時期なんてない。それはGrantも同じはずだ。俺が持ってるStuderでオリジナルテープをリマスタリングした。セロテープで継ぎ接ぎだらけだったけどな（笑）。







808 State「Flow Coma」のリミックスではあなたが楽しんでいる様子が窺えましたが、実際の印象は？  



できればもう1回リミックスしたいけど、あの独特のバイブスや101 / 202 / 303 / 808のグルーヴ、ブレイクが一切ない感じはあの時代ならではだよな。







RephlexからはPierre BastienやVictor Gama、Voafoseの作品をはじめ、Radiophonic Workshopのコンピレーションなど、よりエクスペリメンタルな一連の作品もリリースされています。このような作品をもっとたくさんリリースしておくべきだったと思ったりすることはありませんか？



Voafoseは俺たちの友人でもあるJeremy simmondsがやっていたんだが、彼は最高に良い奴で、いつも身近にいて、どちらかというと裏方的な存在なんだが、彼と一緒に作った未発表先品が山ほどある。JeremyがRephlexからリリースした作品は、おそらく俺にとって一番のお気に入りだな。どれもすごくいい。

個人的にはHerbert Eimertのような歴史上重要なアーティストの作品をもっとリリースしたかったんだが、これはGrantの嗜好ではなかったんだ。















Aphex Twin & Vic by Dalgarno - photo courtesy of Aphex Twin.jpg













Rephlexからリリースする作品について、Grantと意見が食い違うケースはあったんでしょうか？



驚くことに、ほとんどなかった。もともと、Grantと俺の関係は初期にシカゴハウスや1980年代初期のエレクトロ、さらには俺の曲に対する彼の興味から始まっていたしな。Grant自身もこっそり曲を作っていて、実際にリリースされたこともあるんだが、それについては奴に直接尋ねるべきだ。

Grantにとってのレーベル運営は生活のためだが、俺にとってはどちらかといえば遊びだった。だから、そこに利害関係がなかったのは別に驚きではない。







Leilaについてはいかがですか？　彼女との作業はどのような感じでしたか？



Leilaは最高だ。ずっと前に、Björkのツアーで会ったのが最初だった。彼女はBjörkのライブミキシングを担当していた。以来、俺たちはずっと良い友人で、俺にとってかけがえのない人間のひとりだ。







1994年にDrexciyaをRephlexからライセンスしようと思ったきっかけは？



個人的には、最初からDrexciyaの音楽にピンときたわけじゃなかった。というのも、俺はKraftwerkの大ファンだし、最初はただのパクりだろうと思い込んでいたんだ。でも、Drexciyaの連中も俺と同じくらいにKraftwerkマニアだと分かるのにそう長い時間はかからなかった。奴らの音楽は素晴らしかったし、俺が間違っていた。奴らは、自分たちのパッションをダイレクトに表現しつつ、さらに多くのものを提示していた。Kraftwerkは素晴らしすぎて、影響を受けるなと言う方が無理な話なんだ。Kraftwerkは聴けば聴くほど良さが分かってくるし、他とは全く異なる濃密さがある。完全に他に並ぶ者がいない天才たちさ。

でも同時に、俺はDrexciyaが成し遂げたすべてのことを大いに尊敬しているし、James Stinsonが亡くなった時はすごく落ち込んだ。だが、Gerald Donaldはあえて不可能に挑み、Jamesを超えるまではいかなかったとしても、同じくらいに素晴らしい音楽を作ってみせた。Geraldはクラシックにつぐクラシックを連発したし、彼がいなかったら俺たちもどうなっていたか分からない。Geraldの功績は見過ごされがちだが、そいつは大きな間違いだ。





























James StinsonやGerald Donaldとあなたの関係についてももう少し聞かせてください。RephlexからリリースされたTransllusion、Dopplereffekt、Arpanet、Zwinschenweltなどの作品についてはどのように感じていますか？ 



JamesやGeraldとの関係は純粋に音楽を通してのもので、個人的に直接会ったことはない。同じ部屋に居合わせたり、ごく近い場所にいた機会は何度かあったけどね。Geraldに会えたら最高だっただろうな。

Drexciyaの音楽についてはよく知っているし、俺の人生の大きな部分を占めている。彼らのすべてのリリースが大好きだ。思うに、Geraldは世界で進行する完全なる荒涼に俺よりも先にたどり着いたんじゃないだろうか。最初にDrexciyaを聴いた時は、あまりに快適な生活をしていてそれを見えていない当時の俺を笑われているような気がしたものさ。







Rephlexというレーベル全体のアティチュードを言い表すとしたら？



イメージよりもまず音楽ありき。ポーズは一切なし







Rephlexでの活動を懐かしく思うことはありますか？　レーベルを停止した理由についてはどのように考えていますか？



懐かしく思うことなんてないし、Rephlexは正しく一定の期間で運営されたと思う。そこで学んだA&Rのテクニックは今も活用しているが、適用する対象はもっぱら自分のリスニングの楽しみとDJの選曲だけだ。







Rephlexというレーベルとそのレガシーについてはどのように振り返りますか？　インタビューしたある1人のRephlexアーティストは「ホビーレーベル」と答えましたが、これはフェアな表現だと思われますか？



客観的になるには、俺はあまりにも内部に関わりすぎた。ホビーってのは良い例えだ。「エレクトロニクスと音楽をホビーとする者たちのレーベル」、あるいはHeath Robinson（20世紀初頭に活躍した英国の風刺漫画家）マニア、アマチュア無線、Maplin（英国の電子部品販売店）ファンの同好会ってとこだろうな。









Rephlexについてさらに掘り下げた記事、Label of the month: Rephlexはこちら。