掲載日
Mon, Feb 10, 2020, 04:30
- 世界に2つしかないラッカーメーカーの1つ、Apollo / Transcoの工場が失われた。
Apollo / Transcoのラッカー製造工場が全焼したと、The Vinyl Factoryが伝えた。
2月6日木曜日の朝、カリフォルニア州バニングにある倉庫で火災が発生し、世界にある2つのラッカー製造工場の内の1つが損壊した。ヴァイナルをプレスするのに重要な原盤となるラッカー盤は、マスタリングされたサウンドファイルの溝を刻んだアルミニウム・ディスクだ。ラッカーの生産ができる最後の会社として残るのは、日本にあるMDCのみとなる。
工場の火事でPVCと呼ばれる有毒なプラスチックを含むビニールが燃えることで化学物質が放出され、建物の周囲3000フィートにある近隣の企業や学校への環境問題を引き起こした。この非常に危険な火災は80人の消防士が消火活動に当たり、木曜日の午後にようやく鎮まった。従業員の中に怪我人はいないという。
Apollo Master のウェブサイトには、「素晴らしい顧客の皆様。非常に残念なことに、Apollo Mastersの製造および保管設備が破壊的な火災にあい、壊滅的な被害を受けました。幸いにも従業員は全員無事です。現時点で今後の見通しは立っておらず、この困難な時期を乗り越えるための選択を見極めています。長年に渡るすべてのサポートと、皆さんから受けた励ましとサポートの文面に感謝します」とのステートメントが記載されている。
MDCはこの事件以後、大量の電話での問い合わせを受けており、今後は新しい顧客を受け入れない旨を説明している。