- マドリードから放たれるモダンテクノ
- 現代のテクノシーンはゆっくりと少しずつ革新していく傾向にある。テクノというジャンルが生まれてから40年に突入し、その間基本的なテンプレートは変わっていないが、細部における更新や小さな変化は頻繁に起こっている。昨年10周年を迎えたSemanticaは、その適例である。Svreca主宰の同レーベルがリリースするレコードは、新鮮な手法で常に注目を集めている。10周年企画シリーズ8作目にして最終作となるレーベルの最新リリースを聴くだけでも、SHXCXCHCXSH、Neel、Regis、Ctrlsのトラックから、それぞれが完全に独特の、真にモダンなサウンドであることに気づくだろう。これと同じことが、同レーベルの作品の大部分にも言える。活動の拠点であるマドリードから、SvrecaことEnrique Menaはテクノにおいて高く評価されるアーティストたちと共に仕事をしながら、一方で自身の傑出したプロダクションをカタログに織り交ぜている。Menaの音楽は、空間と時間の感覚が失われたダンスフロアでの瞬間の為にデザインされているように感じられる。
プロデューサーとして、そしてDJとして、Menaは現在非常に良い立ち位置にいるようだ。最近ではVoices From The Lakeとの傑作コラボレーションEP「Between The Lines」を発表したほか、本人が「毎晩のように素晴らしい雰囲気が生まれる」と語るマドリードのクラブ、Stardustのレジデントに就任した。彼が「内省的な体験」と説明する、この深海のようにディープなテクノセッションを聴けば、Menaのフォームをより掴むことができるだろう。
トラックリストRyo Murakami - Untitled From Depth of Decay
Sebastian Mullaert - Fusion (Voices From The Lake Tropical Thunders Mix)
Ben Frost - The Wasp Factory
Neel - Souls On The Run
Svreca / Retina.it - Avenza
Varg - I Think I'd Lie For You
Donato Dozzy - The Night Rider
Antigone - Shadow Play
Avi Musaifi - Qarva (Abdulla Rashim Remix)
Yotam Avni - Shtok
Lucy and Rrose - Peeling
Leiras / Svreca - Linen
Svreca - Peels a Tangerine (Regis Remix)
Claudio PRC & UNC - CXXV
Svreca - Warszawa
Svreca / Neel - Tángara
Svreca & Voices From The Lake - Between The Lines