Pioneer - HDJ-500

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  • 毎年DJのための様々なツールが増え続ける中で、DJなら誰でも欠かす事ができないものがある。ヘッドホンだ。DJとして活動している人なら、自分のお気に入りの一品があるにちがいない、それ故新しい商品に目をくれる人はそんなに多くないだろう。しかし、新しいものをお探しというなら、品数で言うなら今だ。昨年、Pioneerが HDJ-500を発表した。プロDJたちが使うヘッドホンの中で今最もお手頃価格なものだ。 Pioneerが出すHDJシリーズとくれば、HDJのスタンダード商品且つ10年も市場に出回るHDJ-1000sについて語らざるを得ないだろう。愛好家が多い証拠に、最近では限定版も発表され、ゴールドで装飾されたものがお目見え予定だ。2008年には HDJ-2000が発売され、高額ではあるものの値段以上のクオリティーの高さを見せている。そして HDJ-500の登場。3つのカラーバリエーションで希望小売価格125ドルと最安値だ。 ではHDJ-500のユニークな点とは何であろうか?ちょっとしたことばかりなのだが、始めに目につくであろうことは、ケーブルだ。ケーブルは短いストレートケーブルと、DJたちの定番でもある長めの渦巻状ケーブルとで交換可能だ。短いケーブルは、家庭用,例えばiPodやノートパソコン専用と言った所。ケーブル交換もいたって簡単で、頻繁に付け替えするのも苦ではない。DJミキサーに渦巻ケーブル、ノートパソコンにはストレートケーブルをさしっぱなしに、携帯にもつけたり取ったりという事もありそうだ。両ケーブルには、ロックも可能で、ケーブルがヘッドホンから取れてしまう心配もない。 その他の特徴といえば、ヘッドホン右耳側が右・左方向に60度旋回する事だ。もうお気づきかもしれないが、DJをすることにおいて、片耳をモニタリング代わりにすることは必要不可欠な作業だ。多くのヘッドホン製造会社が、電話のような片耳専用のもの、フレキシブルなトップバンドや、フリップ可能なものなど、片耳だけでヘッドフォンを使用するDJたちの事を考えたヘッドホン作りを行っている。回転式のヘッドホンは以前も存在するが、Pioneerのものが市場に出ているものでベストと言って良いだろう。右側のヘッドホンが回転している間でも、バランスを保つことが出来るボディーにも関わらず全体の重さがわずか192グラムなのは驚きだ。 HDJ-500のフリーケンシリスポンスは 5Hz – 28,000Hz、マックスのアウトプットは 105 dBと、 HDJ-2000の 5Hz – 30,000Hzそして 107 dBにほぼ似通っている。三倍も値の高い 2000sと比べると 500sのコストパフォーマンスは素晴らしいものになっている。 HDJ-500sを兄弟種ではなく、他会社のものと比較すると( Sony MDR-7506, Beyerdynamic DT-990 PRO そしてAudio-Technica ATH-M50)ベースの音が極めて多いことがわかる。サブウーファー付きの良いサウンドシステムが揃ったクラブで聴く音と似ているといっても過言ではない。 100ドル以下の低品質のヘッドホンさえ製造できるにも関わらず、Pioneerは驚くべき量の機能を HDJ-500に詰め込んだ。セットの見本として使用するならお薦すべきではないが、DJセットではうまく機能するのではないだろうか。収納用のバッグがついていない事、そしてたたむことが出来ない点はとても不便である。結果として場所を取ってしまう。もしスペース面で障害を感じないのなら、 HDJ-500は必見おすすめアイテムだ。
RA